内容説明
バクテリアも人間も、たった一つの細胞から―。同じ生き物、同じいのち。人間はじめすべての生き物を、一つの生命がもつDNAの総体「ゲノム」から読み解く「生命誌」を提唱した生物学者、中村桂子。ピアノ一台でめくるめく夢の舞台を演出する“朗読ミュージカル”を創りあげた童話作家、山崎陽子。世界に満ちるいのちの気配を写しつづけてきた画家、堀文子―分野を異にした三人の女性が描きだす、いのちのハーモニー。
著者等紹介
中村桂子[ナカムラケイコ]
JT生命誌研究館館長。理学博士。生命科学が生物を分子の機械と捉えることに疑問を持ち、ゲノムの解読を基本に、人間を含むあらゆる生物の歴史と関係を読み解く「生命誌」という新しい知を創出
山崎陽子[ヤマザキヨウコ]
童話作家、ミュージカル脚本家。1975年から一人ミュージカルを手がけ、1990年からは独自の舞台「朗読ミュージカル」を発表し、既に50作以上が上演されている
堀文子[ホリフミコ]
画家。一貫して自然をモチーフに取り上げ、移りゆく自然の情景を繊細な描写と優美な色彩で描きだす。アマゾンやヒマラヤにも取材するほか、クラゲなどの海の生き物やボルボックス、ミジンコなど微生物、クモ、アリなどの昆虫を描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とよぽん
17
「ものみな一つの細胞から」を説く生命誌の朗読ミュージカルを書籍化したものだった。堀文子さん画、中村桂子さん・山崎陽子さんの作。平安時代の『堤中納言物語』に登場する「虫愛づる姫君」の行動や考えが、生命誌の視点を内包しているという中村先生の着眼というか発想というか、それが出発点だった。そしてこんな素敵な楽しい朗読ミュージカルが創作された。この本に出会えたことが、とても嬉しくラッキーだと思った。10年以上前だったのか? ステージを見たかった。2019/06/11
ありんこ
4
気になっていた中村桂子さんの絵本を見つけたので借りてみました。いつの時代にも、蟲愛づる姫君のように生きものを愛おしむ女の子がいるのだというのが何だかいいですね。堀文子さんのアリ、クモ、クラゲなどの絵を味わえるのも素敵です。2019/09/13
山田佳江
1
中村桂子さんに興味を持ったので、書籍を探してみた。生命誌について童話風に分かりやすく書かれているので、小学生くらいなら充分読めそう。「堤中納言物語」の「虫愛づる姫君」がモデルになっているらしい。「虫愛づる姫君」ってナウシカのモデルだっけ?2011/05/23
メルセ・ひすい
1
9. 13 バクテリアも人間も、たったひとつの細胞から生まれた同じ生き物、同じいのち。生物学者と童話作家、画家という、分野を異にした3人の女性が描き出す、いのちのハーモニー。朗読ミュージカルの舞台をそのまま収めた一冊。2007/07/22