感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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ゾラが文学を論じた文章が多数収録されています。大きな見通しとしては、「アンシャン・レジームに対応する古典主義から、革命に対応するロマン主義を経て、第三共和政に対応する自然主義へ」という流れがあり、ロマン主義(ロマネスクな想像力)から自然主義(科学的な現実感覚)への移行を促進していこう、というのがゾラの文学理論です。自然主義への移行の発端として、スタンダール、バルザック、ゴンクール兄弟が評価されます。ゾラの洞察力と説得力は相当なものだと感じました。「演劇における自然主義」が特に読み応えがありました。2017/02/14