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京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
21
たとえば今のフランス映画で普通に見られるディープキスも、19世紀末までは私的な場面でさえ破廉恥とされ猥褻罪に問われたとのこと。肉体嫌悪のキリスト教道徳が、つい最近までがんじがらめにあの国を縛りつけていた。その反動としての1968年の性革命がいかに劇的だったか、その極端から極端への振幅が激しすぎるようにも思えて、その反作用あるいは副作用もその後出てきている。先史時代から現代まで、それぞれの専門家へのインタビュー形式で駆け足に辿る愛の歴史は、我々の知っている恋愛がごく最近のものに過ぎないことを教えてくれる2024/11/30
アルゴス
2
タイトル「世界で一番美しい」はミスリーディング。フランスの錚々たる歴史家たちに、それぞれの専門分野における愛の歴史を語らせたもの。少し断片的になるのはやむをえない。二世紀頃にキリスト教の影響なしに、禁欲的な風習が強まったというのだが、その理由について説明なし。片手落ちだろ。★★★2017/12/06
BsBs
1
この種の本によくある訳者あとがきでの同テーマの日本史におけるフォローはないので、正真正銘の愛の西ヨーロッパ史。日本も同じようだったと解釈するのはあまりにも無理があるが、現代に通底する純粋恋愛至上主義的な考えの変遷をたどることはできる。 より官能的なテーマが芸術全般において追求された時代は、総じてイメージとは裏腹に禁欲主義であるという一貫した見解には学びがあった。正しいように思えるが、果たしてどうか。2019/10/01
いちごひめ
1
太古の昔から近代において人々は如何に愛し合ってきたのだろうか。原始時代から、如何にして西洋の性革命までに至ったのか、インタビュー形式で読み解いていく。西洋の絵画に見られる甘美な表現は決して実態を反映したものではなかったことや、ブルジョワや貴族階級の窮屈な愛の歴史、牧歌的な農民から恋愛が普及したことなど、色んな形の愛が自由に語られる今、その歴史に思い馳せるのは、作者が最後にも述べているように、如何に生きるのかということを学ぶことにも通じているように思う。2016/03/19
ぴー
0
内容はそこそこ面白かったが、邦訳で不自然な箇所が多いのでやや読みにくい。インダビューされている人が章によって異なるため、それぞれ違う時代の話をしているはずなのにたまに内容のオーバーラップがあるので混乱する。西欧における恋愛観・結婚観の、旧石器時代から現代までの変遷を概説してある。2015/10/21