石牟礼道子全集・不知火〈第2巻〉苦海浄土第一部・第二部

石牟礼道子全集・不知火〈第2巻〉苦海浄土第一部・第二部

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B5判/ページ数 622p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784894343832
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0393

出版社内容情報

ことばの奥深く潜む魂から近代を鋭く抉る鎮魂の文学

「本書は、何よりも作品として、粗雑な観念で要約されることを拒む自律的な文学作品として読まれるべきである。聞き書きなぞではないし、ルポルタージュですらない。人びとはなぜ、「ゆき女聞き書」や「天の魚」における海上生活の描写が、きわめて幻想的であることに気づかぬのであろう。このような美しさは、現実そのものの美しさではなく、現実から拒まれた人間が必然的に幻視せざるをえない美しさにほかならない。」
(渡辺京二氏評)

目次
第1部 苦海浄土

第1章 椿の海
山中九平少年
細川一博士報告書
四十四号患者
死 旗

第2章 不知火海沿岸漁民
舟の墓場
昭和三十四年十一月二日
空へ泥を投げるとき

第3章 ゆき女きき書
五 月
もう一ぺん人間に

第4章 天の魚
九竜権現さま
海 石

第5章 地の魚
潮を吸う岬
さまよいの旗
草の親

第6章 とんとん村

わが故郷と 「会社」 の歴史
第7章 昭和四十三年
水俣病対策市民会議
いのちの契約書
てんのうへいかばんざい
満ち潮

あとがき (初版)
あとがき (文庫版)
〔資料〕 紛争調停案 「契約書」 (昭和三十四年十二月三十日)

第2部 神々の村

第1章 葦 舟
第2章 神々の村
第3章 ひとのこの世はながくして
第4章 花ぐるま
第5章 人間の絆
第6章 実る子

『苦海浄土』 関連地図
解 説   池澤夏樹
後 記

内容説明

これはまずもって受難・受苦の物語だ。水俣のチッソという私企業の化学プラントからの廃液に含まれた有機水銀による中毒患者たちの苦しみ、そこから必然的に生まれる怒りと悲嘆、これがすべての基点にある。この苦しみと怒りと悲嘆を作者は預かる。あるいは敢えてそれに与る。彼女の中でそれらは書かれることによって深まり、日本の社会と国家制度の欺瞞を鋭く告発する姿勢に転化する。その一方で、作者はこの苦しみを契機として人間とはいかなる存在であるかを静かに考察し、救いとは何かを探る側へも思索を深めてゆく。読む者はまるでたった一人の奏者が管弦楽を演奏するのを聞くような思いにかられる。なんと重層的な文学作品を戦後日本は受け取ったことか。

目次

第1部  苦海浄土(椿の海;不知火海沿岸漁民;ゆき女きき書;天の魚;地の魚;とんとん村;昭和四十三年)
第2部 神々の村(葦舟;神々の村;ひとのこの世はながくして;花ぐるま;人間の絆;実る子)