内容説明
インドに発し中国を経て長旅の果てに日本に辿り着いた仏教。その長旅を通してあらゆる思潮を身に纏った仏教は日本においていかに生きられたか?日本各地を歩き回り独自に集めたお札等数多の図像を、仏教哲理の深い理解から読み解き、民衆仏教がもつ「表現の柔軟性と教義的正統性の融合」という姿を活写。
目次
第1章 仏教伝統の神々と日本の社会―帝釈天(インドラ)の場合
第2章 日本仏教パンテオンの大立者「毘沙門天」
第3章 仏陀
第4章 麻耶―仏陀の母
第5章 愛染明王―愛・怒・色
第6章 妙見菩薩―北極星と北斗七星の神、北斎の守護神
第7章 空と現身仏―日本の仏教伝統に見る形像の中の「礼拝尊」の存在について
第8章 仏陀の二重真理―その単一性と複数性
第9章 法隆寺金堂の勢至菩薩について―西の間阿弥陀三尊造立の背景を考える
第10章 十六世紀ヨーロッパに誤訳により伝えられた十一面千手観音像
第11章 「お札」考