内容説明
歴史的カオスと呼べる仮説の渦のなか、縄文期から律令期(紀元前一万年頃から紀元後八百年頃)まで一万年余りにわたる女と男の心性・社会関係・人間関係の複雑にもつれた糸を解きほぐす。土偶・土器に見る生死観と生命愛、ヒメヒコ制の対称と非対称、生産の手段と方法の変転、婚制と族制に関して絡み合う範疇、幻想界との濃密な関連、考古学・言語学など周辺科学の捲き込み、文字文化と言語文化の交錯などを通して、「ヒメとヒコの時代」が明らかになっていく。
目次
3 感性の活力(万葉女流たちの心性と言語表現;説話文学にみる女性―『日本霊異記』『今昔物語集』を中心に;表象としての服飾)
4 女たちの基層への提言(魂を見守る人―アイヌのシャーマンは語る;女性と文字―中国女文字の示唆するもの)