内容説明
本書は、産育と就学問題に焦点をあてた17世紀から20世紀にいたる日本社会史と心性史である。著者による「新しい教育史」の方法の適用によって、日本教育史と思想史は全く生まれかわり、そのかつてとらえ得なかった歴史の層がとりだされてくる。大政治家、革命家、大思想家の歴史ではなく、無名の「匿名」者たちの歴史…。序論では生活綴方史から出発し社会史に至った著者の「新しい教育史」の立場が示され、全体として、人づくりの歴史研究の新しい時代区分と未踏の研究領域を提示するものになっている。
目次
序論 教育の社会史とよばれているものの性格
第1章 産業革命前夜の産育・就学構造―民権結社の「教育」構想
第2章 日本資本主義と女学校
第3章 学校建築の社会史
第4章 児童像の深層―桃太郎話の心性史
第5章 新学校史の社会過程
第6章 六・三・三制の社会史