内容説明
お父さんもお母さんも、学校の先生も、おまわりさんも、大人がみんないなくなったらどんなに楽しく遊んで暮らせるだろう!そう思ったことはありませんか。ある朝起きたら「ティンペティル」の町は、本当にそうなっていました。
著者等紹介
ウィンターフェルト,ヘンリー[ウィンターフェルト,ヘンリー][Winterfeld,Henry]
1901年、ドイツのベルリンで作曲家の息子として生まれる。音楽を学んだ後、映画のシナリオライターとして活躍。1937年処女作として『子どもだけの町』を発表、好評を博し本格的に児童文学の世界に入る。1940年にアメリカに移住し、1990年に亡くなるまで、『リリパット漂流記』『星からきた少女』『カイウスはばかだ』などの作品を発表した
大塚勇三[オオツカユウゾウ]
1921年生まれ。東京大学法学部卒業。出版社の編集勤務を経て、ドイツ、北欧児童文学作品を中心とする翻訳・研究に従事
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
34
読み友さんのコメントから。国境近くの小さな町ティンペティルで、悪童たちの度を超した度重なる悪ふざけにブチ切れた大人たちは示し合わせて水道と電気を止め、全員で森の中に去っていった。翌朝、目を覚ました町の子どもたちは恐慌の陥るも、悪童たちの「海賊団」は羽目を外し、店を略奪する。これに対抗すべく、主人公のメガネ君マンフレートは親友のトーマスとともにライフラインの復活、食料供給、そして海賊団との闘争と、親たちが帰ってくるまで秩序を保とうと悪戦苦闘。彼らが見事に町の運営代行組織を作り上げる流れは、スイスの国民性 ⇒2021/08/20
ケ・セラ・セラ
24
目に余る(本当は一部の)子どもたちの悪行を懲らしめるべく、大人たちがとった驚きの行動。大人たちも随分と思い切ったことをしたものですが、アクシデントで数日間戻れなくなり…(苦笑)。やりたい放題の悪ガキたちと、そんな悪ガキたちにウンザリの驚くほどしっかりした子どもたち。秩序を持って組織力を屈指し、悪ガキに対抗する彼ら。短時間での即決、役割分担、その行動力には舌を巻く。読んでいてワクワクしたり、ハラハラしたり。そして圧巻のクライマックス。見事な大団円。子どもの時に読んでいたら、より痛快だったろうな。2021/10/01
そらねこ
24
余りに酷い悪ガキのイタズラに大人たちがみんな町を出て行ってしまう。残された子供たちが自分たちで電気を起こし、小さな子供たちの世話をし、悪ガキと対決する。子供の頃に非常にワクワクしながら読んで忘れられない一冊。絶版になって昔探したけど探せなかった。検索したら出てきたので見たらやっぱり中古で5千円…。もう一度読んでみたいし、今の子供達にも読んで欲しい一冊。2018/02/28
爽
9
題名に惹かれて借りてみた。きっと誰しも「親がいなければ・・・」と思うことがあっただろう。それが本当に起こってしまった嘘のような話。大人がいなくなるということは社会全体が止まってしまうということ。ひとりで生きていこうなんて思っても結局は誰かに生かされている。人間がひとりで生きようとしても誰だって生きてはいけない。とてもおもしろかった。2010/08/16
timeturner
6
大人がひとりもいなくなり、電気も水道も止まってしまった町に取り残されたら……ティンペティルの子どもたちはすごい。私だったら生き残れない(きっぱり)。2015/05/10