内容説明
明治維新政府の危機を救うため、外国人見証のもと従容として切腹、日本武士道の何たるかを知らしめた備前藩士・瀧善三郎。
目次
第1章 神戸開港
第2章 王政復古と鳥羽・伏見の戦い
第3章 岡山備前藩に西宮警備の勅命
第4章 神戸事件はなぜ起こったか
第5章 外国の抗議に動揺する新政府
第6章 生麦事件と正反対の処分
第7章 切腹の刻を迎えた瀧善三郎
第8章 武士道を見せつけた見事な切腹
第9章 神戸事件の意義
著者等紹介
矢野恒男[ヤノツネオ]
1943年、島根県出雲市に生まれる。島根県立松江工業高校卒業。関西の建設会社勤務を経て、1972年、現在の株式会社矢野工務設計事務所を設立、代表取締役に就任。建築家としての業務のかたわら短歌の創作にも励み、2005年、歌集『サムライ日記』を出版。公職としては2001年、最高裁判所より民事調停委員を任命(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hakodadi
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再読。神戸事件といえば今日かの「酒鬼薔薇」事件のほうが有名だが、慶応4年大政奉還直後に起こったこの事件は近代日本史の中でももっと注目されていい。備前藩兵士による外国人への偶発的な発砲事件が列強5か国(英米仏蘭普)による神戸占拠に発展し、結局藩士一人が切腹となったこの事件。著者は各種資料から、事件の真相が列強の対日圧力の・一環であり、新政府にとって都合の悪かった事後処理がどのようにして歴史の中で隠蔽されていったかを説いている。前後して起こった堺事件も併せ明治維新期の対外関係の危機の諸相をもっと知りたくなる。2014/04/15