内容説明
すべてを予感するマージェリー。パンツなんか女々しいからと言って本当にはかないトレーバー。誰もいないバス停に人の気配を感じて近よれないジェニー。毎年同じ時刻におふろ場にあらわれるクィニー。インコにふり廻されるレイチェル。花だんに雑草を植えるといじわるを言うアンディー。具合が悪くなることに憧れるエマ。こむずかしい言葉を好んでつかうデニスなどちょっと変わった子どもたちのおはなし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
47
🇬🇧ジュヴナイル短編集。作者マークの子供時代である1950年代を舞台に、子供たちの日常をきめ細かに描きながら不思議な出来事を差し挟んでいる。「かざられない写真」集合写真の撮影で仕掛けようとして失敗した悪戯。「古い硬貨」古くて汚い硬貨を所有すると……「バスにのらないひとたち」公園にいた人達は新しいバス待合室に移ってきた。「お誕生日の女の子」叔母さんの家のお風呂に1年に1度現れる不思議。「ボク、カワイイ?」庭の、何も育たない一角で飼育されるインコたちは……2023/03/15
小夜風
26
【図書館】ちょっぴり不気味なお話八つ。怖面白かった♪読んでる時は児童書だからそんなに怖くないかな?って思ったけど、後からゾワゾワ~っと来ます(笑)。彼等が出る場所があまりに日常に溶け込んでいるから、いつか自分も出会ってしまうのでは…という恐怖感が…。2014/12/03
マツユキ
17
表題作他『かざらない写真』『古い硬貨』『お誕生日の女の子』『「ボク、カワイイ?」』『発生』『ウェルカム、ユール!』『通信』収録。不可解な出来事が起こり、切なかったり、おぞましかったりしますが、子供達の日常によりそう優しさも感じて、好感が持てました。被っている部分もあるんだけど、『「ボク、カワイイ?」』『発生』がお気にいりで、自分の好みを再確認しました。2023/05/12
深青
16
日常の中で出会い事があるかもしれない怖さ。日本の「怖さ」「おばけ」と少しずつ違うのが、また面白かった。「古い硬貨」が一番イヤかも…これからも硬貨に触れる機会は多い訳だし(>_<)2014/12/12
星落秋風五丈原
8
この世ならぬ存在とはっきり会ってしまう作品もあれば、「確かにいるのだけれど存在やその理由がわからない」ままに終わってしまう作品もあり。また、必ずしも彼等の登場が危害を加える目的を持っておらず、優しい気持ちによるものもあります。理屈で全部を説明しようと思わないが故に、そうした存在を受け入れる余地のある子供だからこそ、彼等も目の前に現れるのかもしれない。 結構怖かったのは「通信Efflorescence」。途中で気付いて回避できたから良かったものの本当に出会ってしまっていたら何が起こっていたのだろう?2014/05/13