目次
第1章 言葉(詩、哲学、宗教;見えるものしか信じない時代;本当の言葉 ほか)
第2章 人間(危機―ニュートラルな世界;自分は死なないと思っている人たち;死からみえてくること―たとえば善と悪 ほか)
第3章 真理(信じること、考えること;表象―語りえぬことへ;真理はみずからあらわれる)
著者等紹介
大峯顯[オオミネアキラ]
1929年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。71~72年文部省在外研究員としてハイデルベルク大学留学。大阪大学教授、龍谷大学教授を経て浄土真宗教学研究所所長に就任し、現在は大阪大学名誉教授、毎日俳壇選者、専立寺住職と様々な場面で活躍
池田晶子[イケダアキコ]
1960年生まれ。慶應大学文学部哲学科卒業。専門用語によって「哲学」を論ずるのではなく、哲学するとはどういうことかを自身の言葉で表し、多くの読者を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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s-kozy
45
娘からの借り本。よりよく生きるためには真理を知ろうとすることが大事なんだろうなぁ。18歳でこの本を読めた娘は幸運だなと思う。この対談後、しばらくして池田さんが亡くなってしまったのは惜しまれる。2019/12/31
pirokichi
29
〈虫の夜の星空に浮く地球かな〉で有名な俳人で僧侶の大峯あきらさんが、哲学者・大峯顯さんであることを、先に読んだ『言葉を植えた人』(若松英輔)で知った。本書は大峯さんと池田晶子さんの対談で、「言葉」「人間」「真理」の全3章。私には難解だったが、大きな大峯さんに踏み込み喰らいつく池田晶子さんとのやりとりが面白かったし、特に仏教についてとても興味深かった。ほんとうのお坊さんは哲学者なんだ。対談のあと池田さんは亡くなられたが、対談時はもうご病気だったのだろうか。そばに置いて時々開きたい、大事にしたい一冊。2022/12/02
棕櫚木庵
17
大峰顕氏がお亡くなりになったそうです.新聞記事は蛇笏賞受賞の俳人「大峰あきらさん」でしたが,私にとってはなによりもこの本の著者です.ソクラテス・プラトン→ 池田 → 本書というルートでたどり着きました.本書では,池田氏がいつもの舌鋒の鋭さを抑え,聞く姿勢に徹していらしたのが印象的でした.池田氏は,2007年3月付けの「あとがき」を残して,2007.2.23に逝かれました.帯に大峰氏の「引鶴の空蒼ければ湧く涙」が引用されています.そして今,大峰氏も・・・.
団塊シニア
15
15年前の対談集でその年に池田晶子氏は47歳という若さで亡くなってる、「死ぬのを怖いと思ったことはない、むしろつまらない生を生きるほうが怖い」と死を予感させる言葉が印象的である。2022/11/16
Ryosuke Kojika
7
わかっている人同士の対話で置いてけぼりだった。わかっていることが前提であるため、わかっていない私にはわからなかった。残念。しかし、ところどころのエッセンスは掴めた。時代とともに手垢にまみれた言葉の埃を取り除き、言葉それ自体を捉えることができた時の喜び。今まで知っていたのに知らなかったという驚きが面白い。そして、その言葉を捉えることで人生が豊かとなる実感。最近の経験としては「絶望」「愛」「奇跡」。2020/01/09