内容説明
10歳の少年は、兄に連れられて故郷の石垣島を出た。病気が治ればすぐに帰れると思っていた。長い旅のはじまりだった。本書はロングインタビューの積み重ねにより、ひとりのハンセン病患者の半生を「生の声をできるだけ生のまま」「わたし(著者)自身に教えるように」ハンセン病問題の歴史をかさねあわせて書かれた「長い旅」、その現在進行形の経過報告である。
目次
1章 長い「旅」のはじまり
2章 「選ばれた島」にて
3章 愛楽園「脱出」
4章 「希望」の新良田教室
5章 「社会」へ
6章 溢れ出る…
7章 カミングアウト
8章 退所者の孤立
9章 バラバラになった家族
10章 ふるさと
著者等紹介
上江洲儀正[ウエズヨシマサ]
1952年石垣島に生まれる。1971年八重山高校卒業後東京に出る。1974年から11年間、(財)大宅壮一文庫勤務。1986年帰郷。1987年末『八重山手帳』発刊を機に南山舎設立。「日本最南端の出版社」として八重山地域にこだわった出版活動をつづけている。1992年5月創刊の地域誌『月刊やいま』は現在も継続中。2011年前新透『竹富方言辞典』が第59回菊池寛賞受賞。2016年第38回琉球新報活動賞受賞。2020年第36回八重山毎日文化賞受賞。現在南山舎(株)代表取締役会長、竹富町史編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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