感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホシ
21
雪がしんしんと降る静かな夜は仏典を読むのが良いですね。ぱらぱらとですが、再読。付録の「唯信鈔」にある「信謗ともに因として、皆まさに浄土にうまるべし」という一節に目が留まりました。信じる人も謗る人も、ともに仏の国へ。いろいろな考え方があっても、ともに安らぎを目指すべきである。我々、現代人がひしと噛みしめるべきことではないでしょうかね。「我遅れば人に導かれ、我先立たば人を導かん。生生に善友となりてたがひに仏道を修せしめ世世に知識としてともに迷執をたたん。」これもかっこいい。2018/12/16
ホシ
13
どうしても読みたかったので日本から取り寄せたった(呆)。『唯信鈔文意』は親鸞聖人が尊敬した兄弟子・聖覚の著『唯信鈔』の注釈書です。『唯信鈔』の漢文が分からないという関東の門弟たちのために書かれたとか。親鸞は繰り返し『唯信鈔』を読めと門弟への手紙に記しており、親鸞にとって座右の書だった事が知れます。親鸞といえば『教行信証』『歎異抄』が有名ですが、前者は非常に難解で、後者は著者が唯円である事に留意せねばなりません。その点、本書は親鸞思想の核心が幾分やさしく解せるので、私はこれこそ熟読したい本だと思いました。2018/10/02
聲
1
『歎異抄』(もう少し知りたい人は『教行信証』)ばかり注目されがちな親鸞関係の本だけど、『唯信鈔文意』も素晴らしい本だと思った。もっと読まれてもいい。というか『唯信鈔』がもっと読まれるべきだと思う(本書にも付録としてある)。『歎異抄』の補足というか、それを補う意味で、他力思想が腑に落ちるようになる気がします。『歎異抄』よりもずっと短い文章で、他力のエッセンスが詰まっています。2022/10/05