内容説明
著者の人生を方向づけた、高橋和巳の作品との出会いから、60年代という一時代を画した、作品群の根底を貫く思想を追思することにより、作品の只中に参入し、自己の原点を探るとともに、一つの時代を見通す試み。
目次
1 関係性への志向―『捨子物語』論
2 「汝」の非在―『悲の器』論
3 自罰の思想―『憂鬱なる党派』論
4 自己否定の思想―『散華』論
5 知識人の苦悩―『我が心は石にあらず』論
6 土俗の理想郷―『邪宗門』論
7 存在の負い目―『堕落』論
8 自己同一性への憎しみ―『日本の悪霊』論
著者等紹介
伊藤益[イトウススム]
1955年京都市に生まれる。1986年筑波大学大学院博士課程哲学・思想研究科修了(文学博士の学位取得)。淑徳大学社会学部助教授、同教授などを経て、現在、筑波大学哲学・思想学系助教授
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