内容説明
歌人である著者が中国雲南省に残る少数民族を訪ね、日本の「歌垣」のルーツといえる彼らの歌謡を通じて、生活、習俗、文化の源流を検証。巻末に少数民族〈水族〉の歌謡集『水族情歌選』を初めて翻訳―。
目次
序章 歌垣は文化の礎
第1章 少数民族への旅
第2章 日本と雲南の民俗生活(農耕儀礼と年中行事;祭りといけにえ;歌と踊り)
第3章 雲南の歌垣(歌垣の実際;民衆の即興詩;歌垣と稲作農耕)
第4章 詩の発生(詩の起源―折口説をめぐって;歌謡と抒情詩―土橋説をめぐって;歌謡は混沌から生れた)
第5章 生活と歌(歌垣はなぜ滅びたか;大和政権と歌垣;歌垣のその後と神楽歌)
附 水族情歌選
感想・レビュー
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miyuki
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1月11日より。歌人でもある著者が短歌のルーツである歌垣を知るためその文化が現存する雲南地域に取材し、その周辺文化の日本との類似も語っているものである。そのような村落の生活文化が、著者曰く戦前までの日本の村落とさほどかわらないということは驚きであった。日本のそういう文化との相違について一通り語った後での神楽歌と歌垣の類似は、確かに其の通りであると納得できるものである。巻末の『水族情歌選』の抄出翻訳は、そういう歌垣文化の残る歌謡の歌詞の中から特徴的のを訳したものらしく、彼らの恋歌として興味深いものである。2015/01/18
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