内容説明
日本において、政治あるいは政治力がイデオロギーや政策だけを指す言葉ではないことは、すでに衆知の事実だ。日本の場合、政治という言葉のなかにきわめて濃厚に「知恵」もしくは「知力」という重大なニュアンスが立ちこめている。日本の政治は、欧米の政治とどこがちがうのであろうか。本書では、日本の社会を支えている〈日本的な政治〉をさまざまなかたちで描き出した。
目次
第1部 日本社会の基盤を探る(制度としての〈民主主義〉が〈義理人情〉に勝てないのは、後者がより人間的な民主思想だからだ;孤立社会の欧米では〈選良〉なのに、なぜ共存社会の日本では、代議士が〈先生〉と呼ばれるのか;政治の2大潮流「西欧化」と「日本イズム」軋轢の原点は、西郷隆盛と大久保利通の西南の役にある ほか)
第2部 日本の針路を探る(“全分野防衛構想”を確立することこそ、政治の時代のメイン・テーマにならなくてはならない;福祉は「勝ちとるもの」ではなく、〈社会〉と〈家〉が充実すれば「自然消滅」すべき性格のものだ ほか)