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内容説明
孤立の中で激しく燃える反ファッショ魂。囚われの生活に美しく流れる家族愛。忠誠を誓う一方、差別と闘い、軍国主義を憎みながら広島の母を想いやる引き裂かれた心。太平洋戦争時、12万人の日系アメリカ人を襲った悲劇。合衆国大統領署名「戦時収容補償法」(1988・8)の原点を照らし出す。
目次
真珠湾を忘れるな
「ジャップ狩り」ポスター出現
追いつめられゆく日系人
大統領令9066号
強制収容所行きに志願
妻と息子のキャンプ入り
母の日と最初の死者
黒龍会の反米宣伝
36歳の誕生日
マンザナー市民連盟誕生
ファシストによる排撃の嵐
エレインのいない日々
日本人根絶を説く白人医師
食料増産兵士の誇り
米軍情報語学校へ志願
マンザナー暴動の果て
妻子が“死の平原”に
さよなら強制収容所
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
25
米国生まれで日本に移住。その後帰米。名前はカール・マルクスに由来しゴリゴリの共産主義者。率先しマンザナー行きを受け入れ、米軍志願のレターを大統領宛に出したが無視されている。著者は共産党の機関紙を手がけている為、日付入り、収容所内の様子や戦況も書き留め、簡潔で読みやすい。妻はユダヤ系で妻子と別離する(後日全員収容所へ)。彫刻家のイサム・ノグチの名も見れる。各職にそれぞれ給与が払われPOWとして扱われている。同胞が一丸となるはずが、仲間割れも見られる。戦後も補償問題で先頭を切ったリーダー。強い人格者を知った。2018/10/08
James Hayashi
17
来週、現地へいく可能性があるんので復習。再読。2020/11/26
BLACK無糖好き
9
日米開戦後、強制収容所ヘの移住を強いられた在米日系人の苦難の日々が綴られている。著者はアメリカ共産党員として労働運動に従事しながら、弾圧や人種差別と戦ってきたが、ファシスト打倒のため合衆国軍に志願する。収容所内ではアメリカへの忠誠を誓い収容所当局に協力する側と、日本への帰属意識の強い親日派との対立がやがて暴動を引き起こす。戦時下での在米日系人の歴史の一コマでもあるが、困難な状況でも必死に生きた家族のヒューマンドキュメントとしての側面が本書の魅力かと思われます。 2016/03/19
tototomoton
0
ロスで産まれて小中学校を広島で過ごし、アメリカに帰米した著者が戦争中に入った日系人強制収容所で綴った日記。こんなドラマに満ちた人生があるのかとあっという間に読み終わってしまった。 マンザナー収容所は帰国するまでに行ってみたいところだけれど、ちょっと厳しそうだ。でもこれからも色んな人の体験を読み続けたいと思う。2012/06/03