内容説明
アイヌ語地名研究第一人者の著者が40年を回想した随筆集。学者・古老らとの親交、調査旅行の秘話等。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yたろー
5
アイヌ語地名の由来やその調査での小話がまとまられた本。北海道を旅行するとたくさん目にするような地名から、地元の住民でも知らないような地名まで幅広く調査されている。アイヌ語の面白さを垣間見ることができた。2024/04/14
AICHAN
4
アイヌ語の地名は「乾いた所」「上の川」等、見たままのものが多い。文字に複雑な意味を持たせる地名はまずない。土地に執着しなかったためだろう。土地を転がし自然を破壊し続ける和人をアイヌ民族はどう見ているのか。アイヌ語は現代日本語とまるで違う言語に聞こえるが文法は日本語とそっくりで日本語の祖語の一つだ。五十音で発音制限したから日本語は元の姿からどんどん離れてしまった。著者は「(日本語の)仮名を増やすべき時代になったのでは」と。余暇を利用した元役人の素晴らしい調査著作。元役人は世の中の役に立つ何かをすべきだ。2012/04/11