内容説明
ナノテクノロジー…それはナノ(10億分の1)メートルサイズの世界が繰り広げられる新しいテクノロジー。不老長寿を実現しエネルギー問題を解決する驚異の科学。
目次
1部 未来の展望(つくる機械;変化の原理;予測と計画)
2部 可能性のプロフィール(豊かにする機械;考える機械;地球を超えた世界;治療する機械;開かれた世界での長寿;未来への扉;成長の限界)
3部 危機と希望(破壊する機械;戦略と生存;事実を見い出す;知識のネットワーク;満ち足りた世界、そして時間)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
18
約30年前の本。SFモノには当然のように登場するナノ・テクノロジー(マシン)の嚆矢的著作。10億分の1メートルのスケールの世界で、分子単位の部品や素子によっての稼働する機械やAIにより、細胞レベルでの人体の治療やいわゆる不老不死、大型構造物の自動生成、さらに分子構造さえ解っていれば森羅万象を創造できる、科学というより魔法に近い。当然、著者は利点ばかりでなく弊害も謳っているが、結局人間の理性によってコントロール出来ると言う信念に基づいている。でも、この力の延長線にあるのは、人類は要らないね。2013/10/14
2兵
1
ターンエーガンダムやMCU版アイアンマンで技術として登場したナノマシンについて知りたかったので読んだ。かなり古い本だが、今読んでも面白い。とはいえ文系の自分には最初アセンブラー、レプリケーターなどの専門用語がややこしかったが、それでも分かりやすかった。某ゲームで有名になった"ミーム"の概念や、ナノテクノロジーが齎す幸せな未来について、エントロピーやマルサスの人口論を交えて饒舌に語られている辺り、技術よりも思想を語った本と言って良いかも。著者が語る未来の技術の中には、ハイパーテキストなど既に実現したものも2019/07/31
roughfractus02
1
R・ファインマンの原子や分子が組み立てる機械という構想を引き継ぎ、「ナノマシン」を造語し、その具体化の道を示した本書の影響は、その当初ガンやアルツハイマー研究や繊維・建材の開発に影響を与えた。さらに本書の細胞を自己修復し遺伝子の発現を決める技術への応用について、2000年代のナノテク研究とITの小型化が加速する際に新たな議論のテーマとして復活する(当時B・ジョイは地球上を「グレイ・グー」にすると批判)。30年前刊行された本書がSFから現実に近づく現在、生体レベルでの人間の機械=人間の再定義が必要である。2017/02/07
ありみの
1
「∀ガンダム」内の有名な描写に作中の内容が元となったものがあると聞いたので、手にとった。 分子構造をナノマシンが組み替えるというアイディアとその可能性、発展性について述べている点が特に面白い。2016/08/14
Yoshiro Ohashi
1
ぼくが初めてナノマシンを知り、進路に影響を与えた本2013/10/12