内容説明
1995年以来、日本中を混乱におとしいれたオウム真理教事件は、教祖・麻原彰晃の「妄想」が多くの人を巻き込んで起こったものではないか―誰もがそうした疑問を持つことだろう。そうした疑問をきっかけに、本書は、私たちのようなごく平凡な者であっても、「幻覚」や「妄想」のお世話になる可能性を説く。夢と「幻覚」、強固な信念と「妄想」とは、それぞれ隣あわせのものなのだ。精神医学の立場から、幻覚・妄想と上手に付き合いながら生きていくためのノウハウも手ほどきしてくれる本書は、一風変わった人生論として読むこともできる。
目次
第1部 「幻覚」とは何なのか?
第2部 「幻覚」のメカニズム(「もう一人の自分」が見える幻覚;憑依と幻覚;幻覚は、なぜ起こるのか?;対人関係と幻覚;病的な幻覚と、そうでない幻覚 ほか)
第3部 「妄想」がつくり出す世界(「妄想」とは何か?;さまざまな妄想;「パラノイア(妄想症)」とは
妄想と預言
現代人の妄想 ほか)