叢書l’esprit nouveau
宮崎駿の地平―広場の孤独・照葉樹林・アニミズム

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784893591036
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0374

内容説明

透明で深く激しい祈りの思索を理解しようとする試みの旅。現代社会へのメッセージ。

目次

第1章 「広場の孤独」という実存様式(風の谷の「人民」;“共生”の構造;自然に背反する人為―『風の谷のナウシカ』から『天空の城ラピュタ』へ ほか)
第2章 照葉樹林文化とアニミズム(『もののけ姫』と照葉樹林文化論;カインの末裔;『もののけ姫』から『となりのトトロ』へ―柳田國男との接点 ほか)
第3章 “自立”という問題系(キキの旅立ち―『魔女の宅急便』;『千と千尋の神隠し』のアニミズム;現代文明を超克する“私”―『崖の上のポニョ』へ)

著者等紹介

野村幸一郎[ノムラコウイチロウ]
1964年生まれ。立命館大学大学院博士後期課程修了、博士(文学)、京都橘大学教授、日本近代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ありんこ

7
照葉樹林文化という言葉をはじめて知りました。宮崎アニメから監督が意図しているものを探っていく過程が興味深かったです。2011/05/03

Twin*

1
宮崎駿の思想と映画をしっかり繋げてくれた本でした。また、アニミズム思想など、子どもの頃は捉えやすかったため、当時のような新鮮な気持ちでもののけ姫を考えることができました。物語の結末はここに回帰すると、少し難しいジブリのお話に着地点を見つけることが出来たので、読んで良かったです。2016/07/25

ひろ

1
共同体の境界面で、何かへのコミットメントではなく自らの意志に基づいて正義を実行する主人公(ナウシカ、ポルコ・ロッソ、ハウル、アシタカ)という宮崎の長編アニメに通底する存在や宮崎の中にあるアニミズムの感性への言及、単なるエコロジストとは一線を画す宮崎の技術文明への思慮など興味深い論考だったが、最も印象に残ったのは、宮崎駿の作品における自立とは、他者を手段として用い自己の欲望を達成することではなく、他者との連携を企図する、優しく逞しい人である(カントの格率に従って生きる人である)こと。2013/09/08

homkithi

1
数多ある宮崎駿監督分析本を読むにつけ、今もなお作品を作り続けている人を研究対象にするのは難しいなあ、と。過去の言説から、時代の異なる作品を分析することはどこまで妥当なのかと、チラと思いました。ともあれ宮崎の作品と堀田善衛の『広場の孤独』との連関について述べた一章が興味深かったです。と言いつつ恥ずかしながら堀田善衛作品は未読なので読んでみます。あと妙に頭にこびりついたのがポランニーの「地獄の挽き臼」という表現。2010/06/01

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