内容説明
昭和史の原点ロンドン軍縮会議をめぐってそれぞれの真実を迫求し、行動した男たちの感動のドラマ。著者独自の綿密な調査・資料にもとづく、現代の〈警鐘〉!
目次
若槻礼次郎首席全権
ロンドン会議以前
海軍の男たち
請訓
岡田啓介軍事参議官
回訓
加藤寛治軍令部長
統帥大権
財部彪海軍大臣
元老西園寺公望
元帥東郷平八郎
軍事参議官会議
枢密院諮問
枢府逆転
条約派と艦隊派
感想・レビュー
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Yasuhisa Ogura
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ロンドン軍縮条約は、日本の保有する補助艦艇の比率を対英米10:10:6.975に制限した条約。対米比率が目標の7にわずか0.025足りなかったために大きな問題となる。この条約をきっかけに、統帥権干犯問題や浜口首相暗殺、5.15事件などが起こった。本書は、この条約の批准をめぐる日本の国内政治を中心に取り扱う。海軍内の対立が政治家の対立と結びついていく様や、条約派と艦隊派のパーソナリティーは良く理解できた。また、日本海海戦の東郷元帥が依然として影響力を持ち、頑強に批准に反対していたことは印象的であった。2012/06/09