トリ・サムサ・ヘッチャラ―あるペンギンのだいそれた陰謀

ドヴェンカー，ゾラン【作】〈Ｄｒｖｅｎｋｅｒ，Ｚｏｒａｎ〉/バルトシャイト，マーティン【絵】〈Ｂａｌｔｓｃｈｅｉｔ，Ｍａｒｔｉｎ〉/木本 栄【訳】

ひくまの出版（2006/11発売）

• サイズ A5判／ページ数 111p／高さ 22cm
• 商品コード 9784893173621
• NDC分類 K943
• Cコード C8097

内容説明

春・夏・秋・冬とめぐるはずの季節。ところがあるときから、季節が冬でストップしてしまった！春も夏も秋もいっこうに訪れる気配はなく、一年たってもまだ冬のまま。町全体が凍りつき、人々は家に閉じこもってしまう。寒さにうんざりした少年リッキーは、「冬」に文句をいいにいこうと思い立つ。だが「冬」をさがしまわるうちに、リッキーは意外な事実を突き止めるのだった。リッキー少年が長い旅の末に見つけた、四季がめぐらなくなった秘密とは？現代ドイツメルヘンの傑作。

著者等紹介

ドヴェンガー，ゾラン［ドヴェンガー，ゾラン］［Ｄｒｖｅｎｋｅｒ，Ｚｏｒａｎ］
１９６７年、クロアチアに生まれ、３歳のときに両親とベルリンへ移住。１９８９年から、フリーの作家として活躍。小説、詩、舞台脚本や短編など幅広い分野で作品を手がけ、文学奨学金や賞を受賞。１９９９年、デビュー作の「Ｎｉｅｍａｎｄ　ｓｏ　ｓｔａｒｋ　ｗｉｅ　ｗｉｒ」で、オルデンブルグの児童・青少年文学賞を受賞。「Ｄｉｅ　Ａｌｔｅ　Ｓｔａｄｔ」でベルリン・フェストシュピールのＳＦ賞を受賞。２００１年には「Ｉｍ　Ｒｅｇｅｎ　ｓｔｅｈｅｎ」が、２００２年には本書がドイツ青少年文学賞に続けてノミネートされ、以降の作品もノミネートリストの常連となる。「Ｋｕｒｚｈｏｓｅｎｇａｎｇ」で２００５年ドイツ青少年文学賞を受賞。ベルリン在住

バルトシャイト，マーティン［バルトシャイト，マーティン］［Ｂａｌｔｓｃｈｅｉｔ，Ｍａｒｔｉｎ］
１９６５年、デュッセルドルフ生まれ。エッセンのフォルクヴァング芸術大学でコミュニケーションデザインを学ぶ。１９９６年、Ｍａｘ＆Ｍｏｒｉｔｚ賞のドイツベストコミック画家にノミネートされる。数多くの絵本をイラストしたり、自らも物語を執筆し、舞台脚本、ラジオドラマ、アニメ、それに子供向けのＣＤ‐ロムなども手がけている。デュッセルドルフ在住

木本栄［キモトサカエ］
ロンドンで生まれる。ドイツのボン大学卒業後、翻訳家として活躍する。ドイツ・ベルリン在住（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[花林糖]

（図書館本）ドイツの児童文学。季節が冬で止って一年経っても冬、リッキー少年は冬に文句を言う為に旅に出ることに。彼の出会った変なペンギンが面白い。マーティン・バルトシャイトの味のある絵も良かった。

2016/02/07

[ぱせり]

少年が旅に出た目的は、ただ文句を言いに行くこと。雪と氷の町に紙ふぶきを撒く変なペンギン。小さい人（？）たちの思いがけない動機で、果敢に世界はまわっていく。季節が移り変わっていく仕組みはおおらかで美しい。一方で、ちまっとしたちゃっかりさ加減に、おやまあ、とあきれつつ、からからっとと笑っちゃう。

2015/03/06

[おはなし会 芽ぶっく]

１年中寒い冬になってしまった事に耐えられなくなった少年リッキーは、冬探しの旅に出ます。出会ったおかしなカッコウの『トリ・サムサ・ヘッチャラ』は冬を知っているそうで、リッキーは案内してもらいます。冬を終わらせることはできるのでしょうか？

2018/10/04

[アヴォカド]

『沈黙の少女』のゾラン・ドヴェンカーがこんな児童書を？！

2019/09/04

[timeturner]

タイトルそのまんまの内容だけど、でも、それだけじゃない不思議な雰囲気。酷暑の今読むとこんなふうに雪と氷に閉ざされた世界で暮らすのも悪くないと思える。マーティン・バルトシャイトの絵がいい。

2015/07/30