出版社内容情報
一歩、また一歩、わたしたちは何万年も旅してきた。
進化の過程による移動の歴史や、のりものの発明による手段の変化、探検、戦争、避難、巡礼、刊行…様々な目的によって、海底から山のてっぺん、空から宇宙まで、時に迷い、方向転換をし、歩んできた。風や水は自由に境界を超え、動物たちは地図もコンパスもなしに移動する。動くことにより、あたらしい世界をひらいてきたわたしたちの物語。
ウクライナの作家による、万物の移動を描いた絵本。
内容説明
歩く、移動する、旅する、冒険する―。動かずにはいられない衝動は、万物の行動原理だ。動くことにより、あたらしい世界をひらいてきた、わたしたちの物語。美しく、壮大なスケールのビジュアルブック、待望の日本版!
著者等紹介
広松由希子[ヒロマツユキコ]
編集者、文庫主宰、ちひろ美術館学芸部部長を経てフリーランス。絵本の評論、文、翻訳、展示企画などを手がける。世界の絵本に精通しており、ボローニャ国際絵本原画展など国際審査員を歴任。2017年ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)では審査員長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
184
ウクライナ人絵本作家ロマナ・ロマニーシン、2作目です。 万物の移動・歴史を描き、人為的な国境に疑問を投げかける大人絵本でした。人類の欲望が根源です。 https://www.bronze.co.jp/books/9784893097194/2023/05/21
☆よいこ
73
絵本。「人の行くところに 道はできる」グラフィカルなイラストレーションが印象的▽人の歩んできた距離や道筋、歴史だけでなく、動物や生き物の「旅」を描く。歩くことから始まり、乗り物を使ったり船や飛行機を使って、高い山の頂上や深海の奥深くまで、どこまでも旅をする。旅をすることで世界の不思議を知り、特別な場所を心の拠り所とする。「国境って、へだてる線ではなくて、出あうための線かもしれない」人は「長くはとどまりはしない。またすぐに、つぎの旅へと動きだす…」▽まだ旅の途中なのですね。2023.5刊2024/06/11
けんとまん1007
73
人類の歴史というよりも、この地球(ほし)の歴史という表現が合っている。時間軸、空間軸を強く考えさせる。自分自身の立ち位置を考える。歩くことの意味、立ち止まることの意味、しゃがんで見ることの意味を考える。それは、隣人を超えて、周囲への視線・思考へと広がると信じている。2023/07/12
とよぽん
63
ウクライナの、この絵本作家さんの作品を読むのは4冊目、色づかいが独特。そして展開はやはり学際的なスケールの大きさで、いろいろな視点を示してくれる。人類の歴史、動植物の歴史、地球の歴史、文明や科学技術の歴史、移動しないものはない!2023/07/13
たまきら
46
おお、これは面白い!人類史を「移動」として紹介する本は数多く見ましたが、イラストが明快でデザイン性が高いので、膨大な情報をなんなく汲み取ることができます。進む時間が早くなっていき、立ち止まって自分を取り戻す時間も大切だよね…という部分に、なんだか旅の時間よりも日常の方がせわしないなあ…と思いました。さあ、今日もまた日常なようで昨日とは違う日が始まります。楽しもう!という気持ちにさせてくれる一冊です。読み友さんの感想から。2024/06/04