出版社内容情報
高井 隆一[タカイリュウイチ]
著・文・その他
内容説明
線香の一本もないまま、ある日突然、JR東海から720万円の請求書!悪しき判例を残さぬため、息子は巨大企業と闘うことを決めた。その全記録!息子と裁判を支えた援軍10人の寄稿文も収録!
目次
第1章 8年目の逆転判決
第2章 父が帰らなかった日
第3章 家族総動員の在宅介護
第4章 突きつけられた損害賠償請求
第5章 訴訟に臨む
第6章 巨大企業の暴論と裁判所の無理解
第7章 報道と援軍の支援が始まった
第8章 勝ち取った「家族に責任なし」
第9章 最高裁判決がもたらしたもの
第10章 私の父、家族
著者等紹介
高井隆一[タカイリュウイチ]
1950(昭和25)年、愛知県大府市生まれ。1973年、中央信託銀行(現三井住友信託銀行)入社。取締役審査部長、執行役員不動産業務部長などを歴任。2008年、認知症だった亡父の鉄道事故に関し、JR東海より損害賠償請求を受ける。2010年、提訴され、裁判の被告となる。2015年、大府市にて亡父の跡を継ぎ不動産事務所を開設。2016年、亡父の鉄道事故に関し最高裁にて逆転勝訴判決を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
93
認知症の親が線路に降り電車に轢かれて亡くなった。で、息子である貴方に管理監督者として賠償責任は問えるか?つまり、ラッシュ時におけるこの事故での振替輸送等の費用は貴方に損害賠償請求出来るか?という本。同様の事例で、貴方の子供が純粋なスポーツとしてゴールポスト目掛けてサッカーボールを蹴ったら逸れ、偶々通りかかった自転車の老人を直撃して死亡。管理監督者である親の貴方に損害賠償責任を問えるか?これら事例は、何も最高裁が故意でなく偶然に起きた事故について、損害賠償責任を問えないと近年認めた事例。考えさせられました2018/07/13
nyaoko
73
このニュースを初めて聞いた時、遺族を訴えたJR東海も、賠償金を全額払えと言った裁判所にも、バッカじゃないの!!!とテレビに向かって怒鳴ったのを記憶している。そこから多くのメディアはこの結果に反発を抱き、ずっと報道を続けていた。この本は突然訴状を送り付けられた家族の8年に渡る裁判の記録。2019/06/19
ゆみねこ
72
最高裁の判決は強く印象に残っていました。鉄道会社の高圧的な態度に怒りを覚え、認知症の方と介護をする家族の実情を知りました。高齢化社会の日本、他人事と思わず、多くの人に読んで欲しい1冊です。2018/08/18
fwhd8325
52
この事件は、一般的にはJR東海憎しの感情が前面に出てしまいますが、あくまでも争点は、認知症の家族を持った家庭、介護というテーマが主なんだと強く認識します。高齢化社会は現実のもので、この事件の家族と同じような環境にいる方も多いと思います。身につまされるとはこのことなんだと、まさに背中に寒気を感じます。2018/11/27
千穂
46
認知症の父が鉄道事故を起こし、監督責任からその損害賠償請求を受けた家族が最高裁で逆転勝訴するまでの記録。なかなか読み応えのある内容。今や誰もが認知症になる可能性がある。認知症の人の行方不明や事故は家族の責任を持って解決出来る課題ではない。交通機関等も含む地域、専門職、行政も協働して取り組まねばならない課題である。認知症があっても一人で外出出来、無事家に戻ってこられることが当たり前になって欲しい。2018/11/14