内容説明
干潟は小さな生き物が食べ物をえられる単なる海辺の一角というのではありません。干潟もまた生きているのです。それは、潮の満ち干という宇宙の大きな力と、たくさんの小さな生き物たちや鳥たちの力のおかげです。干潟と生き物は持ちつ持たれつ、潮の満ち干と生き物たちによって創りあげられた一つの生態系なのです。そんな干潟の、ある春の日のできごとを紹介する絵本。
著者等紹介
今宮則子[イマミヤノリコ]
特定非営利活動法人海の自然史研究所副代表理事・プログラムディレクター。海の自然史研究と科学教育をすすめるNPO法人を運営している
小島祥子[コジマショウコ]
画家。1954年東京都北区生まれ。東京芸術大学・美術学部卒業。個展を中心に活動しながら、書物の挿し絵など多数
今泉忠明[イマイズミタダアキ]
動物学者。動物科学研究所所長。東京水産大学卒業後、国立科学博物館でほ乳類の分類を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pino
47
干潟の風景っていいですよね。滑るように歩いている小鳥たち。穴から、ひょろ長い虫をひっぱり出している。空から急降下して魚をとらえる鳥。泥の中から貝を漁る鳥。どっしり構えて水辺で獲物を手に入れる鳥。ずっと見ていても飽きない。この本では、干潟で過ごす鳥たちの捕食の様子が描かれている。鳥たちがくちばしの自慢をしながら、それぞれの食べ物や、それに見合った機能のくちばしを持っていることを知る。干潟という小さな世界で生態系を保ちながら生きている鳥たちの様子がよく解かり大人も子供も楽しめる本。干潟をもっと知りたくなった。2012/07/26
たまきら
27
子どもの頃、鳥のくちばしの多様さに夢中になった頃があります。図鑑の鳥の頭を切り抜いて画用紙に貼ってしかられたなあ。娘さんは興味を示さず。オカンだけが楽しみました。自分は文鳥が好きなので、木の実を食べるくちばしの分厚い子たちが大好き。…娘さんは興味なし。ちぇっ。2019/06/29
けんちゃん
21
読友さんのご紹介本。干潟に集まる鳥たちのくちばし自慢。でもそれぞれの場所で、それぞれのくちばしと方法で、それぞれの餌をとっているから、干潟の中で共存していけるのですよね。くちばしの形態、いろいろなのですね、意識したことがなかったので、目から鱗でした。とんびじい、ステキです。2012/10/13
Maiラピ
15
テーマは生物多様性と最近氾濫気味の<みんなちがってみんないい>。でもこれが絵本のテーマとなるのは<みんなおなじってやっぱり安心>って思うから。無関心ではもっとダメ。やっぱ人って生きるって、多くの矛盾を抱えて日々葛藤しながらですね。って内容にあんまり関係ないけど、最近よく思う。2011/09/19
いろ
4
干潟にいる野鳥の嘴に焦点を当て,生物多様性を説いた知識絵本。鳥達の会話中心に話が展開するので,子供にも分かりやすい。物語としては少々荒削り感が拭えない感じだけど,野鳥の姿や生態をきちんと描かれている点はとてもいい。鳥達はリアルなのに,表情が豊かで何とも可愛らしいv 見返しに,野鳥と それぞれが食べる生き物を結ぶ「あみだくじ」が載っていたので,あみだくじの歌を歌いながら遊び方(辿り方?)を教えると,4歳男児とっても気に入って,あみだくじをしたいが為に何度も再読^^;2012/12/27