目次
1 はじめに
2 トカラの自然と歴史の概要
3 陶磁器考古学からわかること
4 トカラにおける調査
5 近世トカラの物資流通
6 おわりに
7 主な参考文献
著者等紹介
渡辺芳郎[ワタナベヨシロウ]
1961年生まれ。1984年金沢大学文学部史学科卒業。1988年九州大学大学院人文科学研究科博士後期課程(考古学専攻)中退。九州大学文学部助手。1992年佐賀県立九州陶磁文化館学芸員。1993年鹿児島大学法文学部人文学科助教授。2004年同教授。専門は、考古学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うしうし
5
大規模発掘など、ほとんど望めない鄙の島嶼部に対する分布調査によって、陶磁器の細片を採集し、それらを材料にして近世トカラ列島の物質流通に取り組んだ好著。文献や古記録も大いに参照するが、著者の研究の基盤となるものは、あくまでも小さな陶片である。埋納された陶磁器が航海の無事を感謝して、あらかじめ用意された奉納品と推定されることや陶磁器などを積載した漂着船の話も興味深い。陶磁器の中に清朝磁器が目立つのも、地域的な特徴と思われる。2018/04/17
笛吹岬
3
陶磁器は、原材料の供給と製作者(職人)の偏在から、生産地が限定されること、また、製品には威信財から日用品までバラエティに富んでおり、さらに特に近世は文献資料と併せて検討することで、物資流通の資料として適しているとのこと。2018/09/01