目次
自分の部屋
黒い塊
部屋を探す
眠りの入口
塔
たまご
発熱の子
ひとめぼれ
4コママンガ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
10
おんち作品を読むと、「生命は、構成的に記号論的である。つまり、生命とは隅々まで、記号の過程の産物なのである。」というエドゥアルド・コーンの言葉を思い出す。そして、本書巻末の宮岡蓮ニ氏の解説を読むと、生命という全体性の活動の発現自体がシュルレアリスムなのではないかと思えてくる。そこに、一見何でもない顔をしたおんち作品の根源性の肝がある。本書の作品を通過した私は、双眼鏡とたまごが似ていると感じてしまう。「黒い塊」では、巨大化した双眼鏡が人を圧迫するものでありながら、「持とう」と思えば持つことができ、2024/02/03
brzbb
1
夢日記のような、詩のような。夢の感覚をそのまま生で取り出したよう作品たち。箪笥の扉を開けて入ると別の部屋に出たり、不動産屋に案内されて階段を延々と降りていくと踊り場に3人家族が住んでいたり、ビルディングのあいだを彷徨っているうちに自分自身が建物になっていたり。「眠りの入口」「たまご」「発熱の子」は幼少期の体験をもとにしたものだろうか。2024/03/13