内容説明
国家の必要から権力的・強制的に建設された平安京が、都市住民の生活の場へと、大きな変貌・脱皮を遂げていったからこそ、この都市は1200年の長きにわたって存続することができた。京都の歴史は、平安京をいかに克服するかのプロセスである。
目次
第1部 平安京から京都へ(洛中洛外図が描かれるとき;羅城門の兜跋毘沙門天;よごれの中の京都;養和の飢饉、元暦の地震と鴨長明;日本史学者の見た元暦二年七月京都地震について;大内裏の変貌―平安末から鎌倉中期まで)
第2部 武家と京都(平重盛の小松殿と小松谷;平家都落ちの諸相;六孫王神社は源経基邸を起源とするか?;西国地頭と王朝貴族―安芸国沼田荘地頭小早川氏の場合;六波羅探題の滅亡と番場宿)
第3部 京都周辺の諸相(下級官人調子氏の中世;大納言の信楽六〇日;中世の若狭街道と関所)
余論 日本前近代首都論の構築のために
著者等紹介
高橋昌明[タカハシマサアキ]
1945年高知市に生まれる。1969年同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。滋賀大学教育学部教授、神戸大学大学院人文学研究科教授を経て2008年定年退職。現在、神戸大学名誉教授、博士(文学、大阪大学、2002年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。