内容説明
今日、経済や環境の問題においても、またスポーツの分野においても、「正義」が問われている。現代の正義論はジョン・ロールズの『正義論』(1971年)以来、国際的にも議論が交わされてきた。本書ではその議論を踏まえながら、経済の正義についてマルクスやヘーゲルの正義論にも立ち返り、また現代の環境的正義と原発問題を取り上げ、さらにスポーツにおける正義論を原理的な視点から考察する。正義論と関係の深いテーマについて、ドイツの第一線で活躍する哲学研究者の講演や論文を収録した。
目次
第1部 経済の正義を考える(マルクスの剰余価値論と正義論;ヘーゲル政治経済学序説 ほか)
第2部 環境の正義を考える(環境的正義とは何か;原発と環境的正義 ほか)
第3部 スポーツの正義を考える(スポーツ思想の底流;スポーツにおける「身体知」の行方 ほか)
第4部 人権と自由の弁証法(人権と「グローバルな法」;ヘーゲルの自由概念 ほか)