内容説明
「彼女は夢で歩いたとおりの小道をたどった」英国出身のローマ皇帝生母による十字架発見は、史実か虚構か―?真の十字架という聖遺物をめぐってキリスト教の核心に迫る、渾身の長篇小説。
著者等紹介
ウォー,イヴリン[ウォー,イヴリン] [Waugh,Evelyn]
1903年、ロンドン生まれ。出版社社長の父を持つ。オックスフォード大学を中退し、1928年、上流社会への風刺をきかせた最初の小説『大転落』が高く評価される。1930年、カトリックに改宗する。1945年、『ブライヅヘッドふたたび』を発表。20世紀を代表するカトリック作家として知られる。1966年没
岡本浜江[オカモトハマエ]
1932年生まれ。東京女子大学文学部卒業。共同通信社記者を経て英米文学の翻訳を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
36
コンスタンティヌス大帝の息子クリスプスは、「戦ったのは別に神のためではないのに、なぜか神のために戦ったことになっている」と、キリスト教への不信を隠さない。また、後に母ヘレナと共に聖人に列せられるコンスタンティヌスが、妻ファウスタが呼びこんだ怪しげな巫女の一言で、息子二人の名をデスノートに書き込み、流刑即刻死刑に処する。その当時公的にはキリスト教を支援していたのだから、宗教に対する為政者の本心が透けて見える。国や権力者に擁護される宗教と、純粋な神への信仰を持つ宗教―本質は同じはずなのに、なぜこうも違うのか。2016/05/29
刳森伸一
4
皇帝コンスタンティヌスの母にして、キリストが磔にされた十字架を発見したとされるヘレナの物語。物語自体は面白いとは思うのだけど、ヘレナを含め登場人物たちの心情や変容の理由がよく分からず、もどかしさが残る。2017/09/03
Mana
3
コンスタンティヌス生母でキリストが磔にされた十字架を見つけた聖ヘレナの話。前に読んだコンスタンティヌスの本では宿屋の娘と書かれていたので、ブリテン王の王女という設定は突飛に思えたけど、あとがきを読んでみると彼女の出自について詳しいことは分かってないらしい。イギリスという説もちゃんとあるらしい。設定は面白いけど、ヘレナの心情がよく分からなくてちょっともどかしい。2013/09/16
稽子
2
★★★2022/01/25
rinrin
0
【BOOK(2015)-098】!!!!2015/04/27
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- 和書
- 楽しい地層図鑑