内容説明
SFの始祖、ヴェルヌの傑作初期短篇三篇と、歿後発表された「永劫回帰」に向かう中篇を収録。
著者等紹介
ヴェルヌ,ジュール[ヴェルヌ,ジュール] [Verne,Jules]
1828年、フランス・ナントに生まれる。子供の頃から冒険小説や旅行記に親しむ。法律の勉強のためパリに下宿している頃、アレクサンドル・デュマ父子と出会い、劇作家を志す。1851年「家庭博物館」誌に短篇「メキシコの惨劇」を発表し、小説の執筆に取り組む。1863年に刊行した冒険小説『気球に乗って五週間』が大評判となり流行作家となる。1905年没
江口清[エグチキヨシ]
1909年、東京生まれ。旧アテネ・フランセ高等科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コットン
69
表題を含む4つの短編集。少年の頃、挿絵の多い『十五少年漂流記』を読んだ記憶からそんなデジャヴを求めて読んでみました。『永遠のアダム』:100年前に書かれているのにストーリーテラーとしての、新しい土地を発見するまでとその後のギャップなどツボを得た読ませどころで堪能しました。2015/02/08
h
2
「人間が真にすぐれている点は、自然を支配し、征服することにあるのではなく、思想家にとっては、それは自然を理解し、無限の宇宙を自己の頭脳という小宇宙に閉じこめることであり、活動家にとっては、物質が立ち向かってきても平然として、こう言えることである。『わたしを滅ぼすなら、滅ぼしたらいい!だが、わたしの心まで動かすことはできないぞ!断じて!……』」2015/07/18
llll'
1
.2024/03/02
ハルトライ
1
ミシェル・ヴェルヌが発表したという、永遠のアダムが傑作だった。この設定で、永劫回帰思想に繋げるのは素晴らしいといえる。もちろん、他のジュール・ヴェルヌ短編も素晴らしい。特に「老時計師ザカリウス」が自分は強く好みかもしれない。今の時代に読んでみると、マジックリアリズムの気配すら感じさせるところがあり、非常に良い刺激になった。こちらも傑作と言って差し支えないだろう。他の二編「マルティン・パス」や「空中の悲劇」も、相当面白いので、読んで損する本ではないだろう。2014/08/28
車庫
0
「空中の悲劇」はサスペンス的な緊張感を感じながらもベルヌの時代までの気球の歴史についても知れる作品だった。 表題作の「永遠のアダム」がやはり一番素晴らしかった。2015/05/23