感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
182
早くこっちへおいで。大丈夫。もう泣かなくていいからね。…こころの揺れ動きを描線の繊細さで表現する、台詞のない操り人形マリオネットをめぐる物語。満面の笑みからの苦しみ、救いからの共感。逃げなくていいんだよ。そうなの。可哀想だから。ほら見せてごらん。最後に抱きしめさせておくれ。うん。ありがとう。…ガブリエル・バンサンの絵本は心底から語りかけてくる。純粋さ誠実さ、たった一つの小さな命の重み。喜びのそばには哀しみがあり、切なさのそばには必ず優しさがある。ねえ今日は何をする。そんな日々を楽しむ姿が目に浮かんでくる。2022/07/10
masa@レビューお休み中
95
なぜここにあるの?どうしてそこにいるの?ここはどこなの?幾多の疑問があったとしても、それを解決する術はない。そこにフォーカスすること自体が意味のないことだからだ。少年は一体のマリオネットと出会う。マリオネットが動くのを見て、少年は表情をコロコロと変える。驚いたかと思ったら、満面の笑みを浮かべ、終いには涙すらこぼしてしまう。モノクロのデッサン画が、生き生きと動き出すのだからバンサンの絵本はすごいとしか言いようがない。こんなドラマチックな物語ではないが、きっと誰もが子どものときに似た体験をしているはずだ。2016/03/22
kanegon69@凍結中
79
う~ん、やはり唸ってしまう!言葉が一つもないデッサンだけの絵本。子供の優しい心、無邪気な心がなんとも愛おしくなります。デッサンもやはり見事の一言につきますね。こんなに少ししか書いていないのに、陰の描写、表情、動作、風景、最小限で見事に描き切っています。今回は見ているうちにこちらまで嬉しくなってニコニコしてしまい、途中あっ!!となるのですが、最後は一緒にスキップしたくなるような、そんな優しい物語です。この子供の表情がとっても印象に残る素敵な一作ですね。ちょっとほっこりしたいときにおススメしたい作品です!2019/12/14
greenish 🌿
61
【児童書・絵本で寄付しましょう♪】路地を歩いている少年が、ある時可愛らしいマリオネットと出逢う。その動きに見惚れていると、マリオネットにピンチがやってきて・・・ ---文字もない、彩色もないガブリエル・バンサンのデッサン絵本。たっぷりとした余白や細部まで描き込まないデッサンが、少年の心の動きを見事に表していて、パラパラと頁を繰っていると、思わずセリフを口ずさんでしまいそう。 マリオネットの動きとクルクル変わる少年の表情、そして操者のおじさんとの愉しい結末。可愛くって気分が晴れやかになる一冊です。2014/06/28
♪みどりpiyopiyo♪
47
表紙の2人を見て ✩⡱ なんで可愛らしいのでしょう。ある日の出会い、交歓、新しい道。■言葉のない絵本です。線描の中に、ふっくらとした子供のほっぺや しなやかな体つき、おじさんの心の動き、などが生き生きと。■優しい世界が心地よい シックな絵本でした ( ' ᵕ ' ) (1992年)2020/02/25
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