出版社内容情報
ノリコは小学2年生。5年生のケンイチ兄ちゃんは、学校では「ちこくの王さま」って呼ばれてるけど、ノリコにはやさしい兄だった。しかし、運命の1月17日、新聞配達に出たケンイチ兄ちゃんは瓦礫の下に。ケンイチが亡くなったその年のルミナリエで、ノリコはある決意をする……。 震災で亡くなった家族のゆめを、未来へと引き継いでいこうとするノリコの姿が感動をさそいます。
内容説明
ノリコは小学2年生。5年生のケンイチ兄ちゃんは、学校で「ちこくの王さま」って呼ばれているけど、ノリコにはやさしい兄。「地球上の生き物ぜーんぶの味方になったるねん」と自然保護官になるゆめをノリコに教えてくれた。ノリコの家にはお父さんはいない。お母さんが新聞配達をして働いている。お母さんが病気のときは、ケンイチ兄ちゃんが配達する。1月17日も、ケンイチが配っていた…。ケンイチが亡くなったその年のルミナリエで、ノリコはある決意をする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
23
ルミナリエという言葉から、神戸ルミナリエに調べついたとき、この絵本に込められた鎮魂と大きな願いを感じ取りました。 神戸ルミナリエは、犠牲者の鎮魂と、都市の復興を願って始められた電飾のイベントなのですね。 前知識なしに手にした絵本ですが、内容の重大さに気づかされてから、ひきこまれてしまいました。 忘れてはいけない災害です。2022/11/14
紫綺
17
ド~ンと背中を突き上げられて眼を覚ました記憶が甦る(私は京都ですが)。阪神大震災を題材にした童話。永田萠の美しいイラストが哀しみを誘う。以前、情報誌の取材で「妖精村」へインタビューに行き、恥ずかしながらサイン&握手してもらったほどの大ファンです。2011/01/23
扉のこちら側
10
初読。阪神大震災で亡くなった兄と残された妹の約束をつなぐバンダナ。2012/08/12
けんちゃん
8
読友さんのご紹介本。1月17日になんとか間に合いました。この震災も、ルミナリエも私にはテレビ画像での体験しかありませんが、主人公と同じような思いを持って成長し、そしてその思いを叶えた人もきっとたくさんいるのでしょうね。町は復興しても人々の壊された人生、心の復興はとても長く難しい道なのでしょうね。淡々と書かれた文章、そして温かなイラストが心に響きます。2011/01/15
アキ
6
気がつけば娘も妻も読んだ様子。17日は娘や息子の学校で震災集会(学習)が開かれます。震災後に生まれた我が子たちですが、幼稚園、小学校、中学校と通うたび、校庭には亡くなった園児・学童・生徒を慰霊する碑が必ずあります。そこに刻まれているのは亡くなった子どもたちの名前と、いつになっても変わることのない年齢です。私たち親は我が子の成長とコントラストをなすその年齢をいつもいつも不憫に思います。同時に、亡くなった子どもたちの魂がどこにいくのか、ずっと気になっていましたが、本編がそれに応えてくれました。2011/01/16