内容説明
“西欧ゼン”の歴史的ランドマークとなったと評された、大拙の「コロンビア大学セミナー講義」(1952~53年)の日本語初訳を堂々一般公刊。西欧社会への禅の紹介を目途とした講義内容には、大拙の心がけた細かな配慮が垣間見られる。
目次
講義1 禅・ブッダの体験(禅とは何か―ブッダの悟り体験と覚者への道;ブッダの体験―答えは、問いと一体になるとき訪れる ほか)
講義2 禅匠たちは存在と意識との諸問題にいかに迫ったか(自我の重圧と本来の自己;哲学は知識でなく哲学する存在に始まる ほか)
講義3 体験としての般若の直観(禅の直観―実在を全体として、また日常生活を一体として把握;禅宗史上の逸話)
講義4 悟り体験(無念―ゼロ意識;涅槃―絶対現在 ほか)
著者等紹介
鈴木大拙[スズキダイセツ]
仏教学者・宗教学者。1870(明治3)年石川県金沢市に生まれる。本名は貞太郎。東京帝国大学在学中に鎌倉円覚寺の今北洪川、釈宗演について参禅し、大拙の道号を受ける。97年渡米。1909年帰国後は学習院講師・教授、東京帝国大学講師となる。11年アメリカ人ビアトリス・レーンと結婚。21(大正10)年四高以来の親友西田幾多郎のすすめで真宗大谷大学に転じ、学内に東方仏教徒協会を設立、英文雑誌『イースタン・ブッディスト』創刊して海外に仏教や禅思想を広める。36年世界宗教大会に日本代表として出席。英国・米国の諸大学で「禅と日本文化」を講演。戦後46(昭和20)年蔵書をもとに鎌倉に松ヶ岡文庫を設立。49年日本学士院会員となり、文化勲章を受章。90歳を越えてもなお同文庫で研究生活をおくり、66(昭和41)年95歳没
重松宗育[シゲマツソウイク]
1943(昭和18)年静岡市生まれ。東京外国語大学卒業、京都大学大学院修士課程修了(英米文学修士)。静岡大学、関西医科大学教授を歴任。現在、静岡市臨済宗承元寺住職。欧米への禅の紹介に努める
常盤義伸[トキワギシン]
1925(大正14)年富山県高岡市生まれ。48年京都大学文学部卒業。73年花園大学教授、98年同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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roughfractus02
でろり~ん