目次
人権(人権一般について;人権としての自由;いわゆる人権としての平等;平等主義と平等主義の誤り)
正義という概念(正義を定義するに当たっての論理的困難;ジョン・ロールズの『正義論』;ロバート・ノージックの『アナーキー・国家・ユートピア』;不正義という概念の論理的優位;アラン・バッキ事件;不正義という概念)
国家と個人(アナーキズム;最小国家;強い国家;デモクラシー;デモクラティズム)
政治的決定(効率原理と道徳原理;聖人・英雄・義務;政府を転覆させる権利)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
「自由という概念は、不自由という概念に対して存在論的に優先している。自由は、自由が制限される以前に、存在している。しかし、平等に関しては、平等に対して存在論的に優先することは不平等である。不自由は、たとえば国家によって押しつけられているが、しかし国家は、自由を押しつけることはできない。国家は、国家の成員が人権としてもっている自由に手をつけないままにしておくことができるし、また国家は、自由が不正に取り去られたところに、自由をもどすことができる。けれども不平等は、国家によって押しつけられない。」2020/08/28