出版社内容情報
全集内容見本に寄せられた“推薦文“を一冊に。川端康成が梶井基次郎を、村上春樹が吉行淳之介を、など84作家108篇収録。かつて文学全集華やかなりし頃、その宣伝物たる<内容見本>も百花繚乱をみせた。捨てられる運命のパンフレットを探し出し一堂に会してみれば、驚くべき文化遺産がひろがっていた!
文学者の評伝を読むことが好きな僕は、自分でも一冊書いてみようと思いたったことがあった。選んだ相手は菊池寛。
大江健三郎(『菊池寛全集』)
小川国男の作品には、上質な洋酒のようなさらさらとした切れの良さがある。〈中略〉わたしが単に上質な洋酒などに惹かれるはずがない。漬けてある蝮に惹かれているのだ。(『小川国男作品集』)
ある時間が来ると吉行さんは「ま、今日はこのあたりで」という感じで消えてしまい、あとには読者が(あるいは僕が)ぽつんと残される。 村上春樹【『吉行淳之介全集』】
推せんどころか読まねば手遅れだ。愛読し給え。手にして自慢し給え。君の本だ。 淀川長治【『植草甚一スクラップ・ブック』】
全集内容見本は名文の宝庫。作家が作家に寄せた“推薦文”84作家108篇収録。
山田風太郎『漱石全集』、富岡多恵子『荷風小説』、川端康成『<決定版>梶井基次郎全集』、永井龍男『吉田健一著作集』、井上ひさし『藤沢周平全集』、井上陽水『色川武大 阿佐田哲也 全集』、村上春樹『吉行淳之介全集』、島田雅彦『開高健全集』、塩野七生『山崎正和著作集』、村上龍『<決定版>坂口安吾全集』、多和田葉子『大庭みな子全集』、高橋源一郎『<新編集・決定版>石川淳全集』大江健三郎『菊池寛全集』、円地文子『小林英雄全集』、丸谷才一『ゴーゴリ全集』、平野啓一郎『<決定版>三島由紀夫全集』、萩原朔太郎『<普及版>芥川龍之介全集』小池昌代『立原道造全集』、谷川俊太郎『草野心平全集』、田村隆一『金子光晴全集』、吉本隆明『小川国男作品集』、徳田秋声『二葉亭四迷全集』、井伏鱒二『永井龍男全集』、安岡正太郎『井伏鱒二全集』、吉本ばなな『吉本隆明全集』 ほか
中村邦生[ナカムラクニオ]
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内容説明
かつて文学全集華やかなりし頃―その宣伝物たる“内容見本”も百花繚乱をみせた。捨てられる運命のパンフレットを探しだし一堂に会してみれば、驚くべき文化遺産がひろがっていた!84作家、108篇。
目次
1(懐しい漱石(山田風太郎)『漱石全集』岩波書店
荷風の女(富岡多惠子)『荷風小説』岩波書店 ほか)
2(宇宙論的な正確さ(大江健三郎)『草野心平全集』筑摩書房
菊池寛自選の全集に(山本有三)『“定本”菊池寛全集』中央公論社 ほか)
3(フローベール全集刊行について(井上靖)『“復刊”フローベール全集』筑摩書房
今日、プルーストを(中村真一郎)『プルースト全集』筑摩書房 ほか)
4(大輪の花(曽野綾子)『宇野千代全集』中央公論社
匂い(群ようこ)『山川方夫全集』筑摩書房 ほか)
著者等紹介
中村邦生[ナカムラクニオ]
作家。1946年東京生まれ。都市出版社(旧)編集部勤務を経て、立教大学大学院修士課程修了、博士課程満期退学(英米文学専攻)。大東文化大学文学部で比較文学、英米文学、文章制作法などを担当して退職。現在は同大学の名誉教授。主な著作『チェーホフの夜』(『文學界』新人賞受賞作「冗談関係のメモリアル」収録、水声社)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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