パット・ホビー物語

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784892194269
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

『グレート・ギャッツビー』で一世を風靡し時代の寵児となったフィッツジェラルド。しかし、1929年世界恐慌で潮目は変わり、妻ゼルダの精神病もあり酒に溺れ、名声も地に墜ちる。酒に溺れ、雑誌の売文で糊口をしのぎ、ハリウッドのシナリオ執筆にも手を出す。『パット・ホビー物語』は、そんなフィッツジェラルドの最後の連載。不遇をかこつ中年主人公に自らを投影した、悲哀に満ちた、ユーモアたっぷりのハリウッド撮影所物語。フィッツジェラルド起死回生の短篇連作17篇。

F.スコット・フィッツジェラルド[フランシススコットフィッツジェラルド]
F.スコット・フィッツジェラルド
Francis Scott (Key) Fitzgerald 1896-1940
ミネソタ州生まれ。第一次世界大戦後の「ロスト・ジェネレーション」の旗手。デビュー作『楽園のこちら側』で一躍時代の寵児となり、妻ゼルダとの派手やかな暮らしは、狂騒の1920年代「ジャズ・エイジ」の象徴。1925年、20世紀最高のアメリカ文学と称される『グレート・ギャツビー』発表。世界恐慌に潮目が変わり、アルコール依存症、またゼルダの発病などに生活は破綻。短篇執筆、ハリウッドのシナリオ書きで糊口を凌ぐも、44歳心臓発作で急逝。

井伊順彦、今村楯夫 他[イイノブヒコ イマムラタテオ]

内容説明

不遇をかこつ49歳中年男に自らの人生を投影した、フィッツジェラルド起死回生の悲哀とユーモア短篇連作。『エスクァイア』1940‐41年連載。ハリウッド撮影所物語!フィッツジェラルド最晩年の快作。

著者等紹介

フィッツジェラルド,F.スコット[フィッツジェラルド,F.スコット] [Fitzgerald,Francis Scott Key]
1896‐1940。ミネソタ州生まれ。第一次世界大戦後の「ロスト・ジェネレーション」の旗手。デビュー作『楽園のこちら側』で一躍時代の寵児となり、妻ゼルダとの派手やかな暮らしは、狂騒の1920年代「ジャズ・エイジ」の象徴。1925年、20世紀最高のアメリカ文学と称される『グレート・ギャツビー』発表。世界恐慌に潮目が変わり、アルコール依存症、またゼルダの発病などに生活は破綻。短篇執筆、ハリウッドのシナリオ書きで糊口を凌ぐも、44歳心臓発作で急逝

井伊順彦[イイノブヒコ]
早稲田大学大学院博士前期課程(英文学専攻)修了。英文学者。英国ジョウゼフ・コンラッド協会、英国バーバラ・ピム協会、英国トマス・ハーディ協会各会員

今村楯夫[イマムラタテオ]
ニューヨーク州立大学大学院博士課程(比較文学専攻)修了。東京女子大学名誉教授、日本ヘミングウェイ協会顧問

中勢津子[ナカセツコ]
1995年獨協大学外国語学部英語学科卒業

肥留川尚子[ヒルカワショウコ]
東京女子大学文理学部英米文学科卒業。立教大学大学院文学研究科英米文学専攻博士前期課程修了

渡辺育子[ワタナベヤスコ]
1958年津田塾大学英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

suzukimaru

5
エスクァイア紙にフィッツジェラルドの死(1940年)の前後に連載されていたサイレン時代に活躍したが今は落ちぶれ酒と競馬に依存しつつしぶとく一発逆転を狙っている脚本家パット・ホビーの奮闘を描くコミック17篇。晩年の苦境からは想像も出来ない軽妙さが感動的だ。市民ケーン以前のウェルズとパットが入れ替わる話や自分の名前がクレジットされた作品の試写会に入れない話。そして大学の教授達の前で思いつきでカレッジフットボールの話をデッチ上げる『パット・ホビーの学生時代』。この唖然としてしまうオチがこの短編集を忘れ難いものに2017/01/05

nightowl

5
落ち目のライター、パット・ホビー。自称40代(実際は49歳)の情けなきあがきの日々。こんな日々もまた人生、というフィッツジェラルドの声が聞こえてきそうな作品。プロット作りの巧さに感心する。どんなときにこの言葉が出るのか?「お湯を沸かして、たっぷりと」落ちに爆笑「父と呼ばれたパット・ホビー」本人たちが幸せならそれで…「パット・ホビーの試写会」珍しく役に立つパット・ホビー「やってみるのも悪くない」あいつだって昔はひよっこだったのに「時代遅れの二人」落ちぶれたダメ男が好きな人には(?)是非ともお薦めの一冊。 2016/12/26

yyrn

4
フィッツジェラルド=華麗なるギャツビー=1920年代の繁栄を極めたアメリカが舞台、と勝手な思い込みのまま(表紙もそんな感じだし)本を読み始めたが、舞台は大恐慌後の30年代後半のハリウッドの映画会社とその周辺で、主人公はサイレント時代に活躍したが今は落ちぶれた49才のシナリオライター。作家自身とダブルが、まあとにかく、努力もせず、こずるいことばかり考えている、実に情けないヤツなのだが、読み進めていくと、まあそういう生き方もあるかなと思えてくるのだった。古き良きアメリカ映画の雰囲気がヒネリをもって味わえます。2017/05/02

amanon

3
主人公が自分とほぼ同じ年齢の独身男ということで、つい身につまされてしまった。それはともかくとして、確かにかつての栄光にすがりつく、アル中気味の主人公に一抹の悲哀を感じるものの、その反面妙に狡猾で抜け目がなく、いい格好しい、それでいてへまばかりしてしまうその性格と行動はどこか日本の漫画めいたところがあるのが不思議。不遇をかこった著者の最晩年の作品だが、その割には全体的にはカラっとしたユーモアを感じさせるのが印象的。作品の殆どが基本的にバッドエンドだが、一つくらい、ハッピーエンドで終わる作品が欲しかった。2017/02/04

エイサノオト

1
短いのに面白いなあ。2017/04/22

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