内容説明
冒険者であるジーノは、その慎重な性格のおかげで15歳で田舎を飛び出してから20年以上、冒険者として生き存えていた。既にベテランの域に達していたジーノは、それなりの地位と財産を得てはいたが、自分の面構えが女性から快く思われてないとわかっていたため、結婚して家庭を築くという冒険者引退の機会を諦め、今まで貯めた財産で性奴隷を購入することにした。ジーノは、明日をも知れぬ冒険者稼業を続けることを選んだのだったのだが、性奴隷が家にきてから、ジーノの生活が少しずつ変わり始めていた…。中年冒険者のちょっと変わったラブストーリー、始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しまふくろう
13
表紙が可愛くて購入。挿絵はえっち可愛かった。 物語は拗らせた中年冒険者と可愛い奴隷との同居生活の話。ほぼ中年冒険者の視点で話が進むので、相手の本心が判らずもだえ苦しんだり距離感を測れなかったり、それでもやる事はやったりするのが妙におかしみがある。ヨウコの内心はどう思ってるのかは語られないのでやきもきする、恋愛小説みたいなノリが面白い。 続きが楽しみ。2021/03/10
NT-R27
0
本格的な一人称小説。主人公、ジーノが自らの人生観を基に、奴隷であるヨウコの心境を類推しながらもだえ苦しむ様子が堂に入っており、その結果としての露悪趣味にリアリティを持たせている。近年、「誤解もの」を描く際、基本的にはオムニパス形式にして、周囲が本当はどう思っているかの答え合わせやネタバレを披瀝するするきらいがあるが、そうしない事により、作品に通観されているジーノの自罰的な自意識を茶化さず、シリアスな雰囲気を保てている。特にエロシーンにおいて、神視点が最小限に抑えられているのは特筆に値する。2020/10/08