内容説明
本書は、「がん告知」、「医師の説明と患者の判断・同意について」、「試行的な医療行為が法的に許容されるためのガイドライン」などに関する一連の医師の説明義務と患者の承諾(同意・自己決定権)に関する著者のこれまでの論文や判例をまとめたものである。その他、「人間ドック」や「救急医療」など個別的な分野に関する問題も取り上げている。
目次
論文(試行的な医療行為が許容されるためのガイドライン―主として試行的な治療行為について;医師の説明と患者の判断・同意について;医師の説明義務とその範囲;医者の説明(療養指導)義務について―主として、自宅などで療養する患者への適切な医療や的確な療養の確保など結果回避義務の一環としてなされる説明(療養指導)義務について
医師の判断(裁量)と患者の自己決定権について ほか)
判例評釈(医師が胆のう癌の疑いがあった患者に対して同疾病を告知しなかったとして、患者の遺族が便宜な措置を受けられず患者が死亡したとする損害賠償請求において、告知につき、医師の裁量を認め、診療契約上の説明義務違反はないとされた事例―名古屋高判平成二年一〇月三一日(判時一三七三号六八頁、判夕七四四号一八二頁)
小樽予防接種(種痘)訴訟―最二小判平成三年四月十九日)
著者等紹介
中村哲[ナカムラサトシ]
昭和26年(1951年)大阪府生まれ。昭和53年司法試験合格。昭和56年司法修習修了(33期)任官。奈良地裁判事補、横浜地裁判事補、大阪地家裁堺支部判事補、札幌法務局訟務部付、大阪地裁判事、札幌地家裁苫小牧支部長を経て現在、神戸地裁判事
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