内容説明
19世紀末の日本語の根底的な変革期。新たに形成される読者層をまえに、夏目漱石はどのようにして「世界」を獲得し、「小説」というジャンルを切り拓いたのか?気鋭の研究者が問う、漱石文学の新たな可能性。
目次
第1章 書く読者たち(作文の時代;作文をめぐる制度 ほか)
第2章 美文と恋愛(「幻影の盾」「薤露行」における美文と女性造型;「草枕」におけるジャンルの交錯 ほか)
第3章 小説と恋愛(失われゆく避難所―「門」におけるジェンダー・植民地・文体;言葉と身体―「行人」の場合 ほか)
第4章 江戸とロンドンのあいだ(明治期の修辞観と社会進化論―ポープ論における分裂と可能性;江戸とロンドンのあいだ―『文学評論』におけるアディソン、スティール ほか)