内容説明
冴えない哲学科の大学生たちとカフェに集う老人たち。時に交錯し、時にすれ違う彼らの運命を、星占いで予言しながら見守るカフェのボーイ。彼らの最後の日々を描きながら、第二次大戦前の不穏なパリの雰囲気を伝える、クノーの自伝的小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽち
5
クノーらしく複眼のフェイズで綴られる小説だけど時系列はすっきりとしていて後半になると俄然ペシミスティックな色合いを帯びてくる。おもしろくなくはないんだけど個人的にクノーに求めているものがちょっと足りなかったなあ、とかも。読みやすくはあるけれど、それは良くも悪くも、かなあ。でもまあクノーのような作家でも自己を清算する欲求にかられてしまうというのは人間の必然なのか文学の必然なのか、年を重ねると考えることも変わってきますなあ。2014/02/18
兎乃
2
クノーの自伝的作品と言われる3番目の作品。テュクデンヌがクノーの投影なのだろうけど、なにしろ冴えない。青春時代というより、子供時代の黄昏と言うべきか。詐欺師ブラッバン老人が完全にテュクデンヌを食っている。そして、星占いと統計学原理で未来を予見できるアルフレッド。彼の独白を挟みながら物語はすすみ、彼の独白によって物語は閉じる。→ 2012/06/24
ひとみ
2
学生たちの冴えない日々、なにかを企んでいる山師のような老人、フランスを一度も出たことのないという呵責に苛まれる老地理教師…これらの物語が、最後ある人物によって見届けられて残酷に閉じられる。笑いを誘う箇所が多かった分、この冷徹さには恐怖すら感じた。感傷の付け入る隙がない。 しかしそれが格好いい。2012/02/14
ぴゃっぴゃ
1
学生たちの青春最後の日々と、老人たちの人生最後の日々。終始人を喰ったような調子で話が進み今ひとつ乗りきれないのだけど、なぜかその乗りきれない感じがクセになりいつの間にか最後まで飽きずに読んでいた。2012/01/08
にやり2世
0
最初はおもしょかったのになぁ。2013/07/20