内容説明
19世紀ロシアの貴族社会に生まれ、フランスをも愛した男の情熱的な生涯。ドストエフスキー、トルストイと並ぶもう一人のロシアの文豪の実像を追う。
目次
スパスコエ
学業と牧歌的恋愛
ポーリーヌ・ヴィアルドー
母親
心地よき追放刑
よその巣の縁で
自由主義と虚無主義
バーデン=バーデン
『煙』
戦争
パリ
トゥルゲーネフとトルストイ
栄光
予感
最後の帰還
著者等紹介
トロワイヤ,アンリ[トロワイヤ,アンリ][Troyat,Henri]
1911年モスクワ生まれのロシア系フランス人作家。1935年に長篇小説『ほの明かり』でデビューして以来、2007年に九十五歳で没するまで精力的に執筆活動をつづけ、小説化、伝記作家として多数の著作を残した。主な著書に、『蜘蛛』(1938年、ゴンクール賞受賞)等がある
市川裕見子[イチカワユミコ]
東京大学教養学科イギリス科卒業。同大学院比較文学・比較文化博士課程単位取得。現在、宇都宮大学教授。専攻、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
14
どっちつかず体質は、同国のきっぱりしていたロシア人男性作家には不評でありドストエフスキーは自作『悪霊』の中にトゥルゲーネフをモデルにした人物を登場させ(出た!作家だけが出来るリベンジ)『戦争と平和』を誉められたトルストイは自己嫌悪の真っ最中だったこともあってスネオくんな反応を手紙で示す。 どっちつかず=優柔不断と取るのではなく優しさと捉え、どこにもベースがない=自由であるとプラスに考える事も出来るのに。三作家の特色を対比して述べてくれるトロワイヤの伝記はわかりやすく、トゥルゲーネフの特異性も際立つ。 2015/01/15
-
- 電子書籍
- 紙の爆弾 - 2015年4月号