内容説明
人類の誕生以来、最もポピュラーなギャグ=“バナナの皮すべり”は、いつ、どこで、誰によって、どうやって生みだされたのか―?この素樸な疑問を解決するべく、マンガ、映画、文学作品、TV番組、ウェブサイトなど、さまざまなメディアに描かれたバナナの皮を踏んで検証する、“バナナ愛”にあふれためくるめく必滑書。
目次
バナナの皮で笑うわけ
バナナの皮は誰かの手製
バナナの涙
世界に冠たるバナナの皮
お笑いに王道あり
永遠のお約束
バナナの皮の文学史
戦前日本のバナナの皮
アメリカ喜劇映画の神々
バナナの皮がギャグになるまで
バナナの皮の罪と罰
ストップ・ザ・スリップ
バナナの皮のモラル
踏み出す一歩
著者等紹介
黒木夏美[クロキナツミ]
1978年、山口県に生まれる。2001年、九州大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nbhd
36
これは侮っちゃいけない一冊だ。兎にも角にもバナナの皮。古今東西の資料を渉猟して著者が探るのは「バナナの皮ですべる」の起源。バナナの皮が生む笑いの原理(ベルグソン!)から、バナナの皮にまつわる文学や詩歌、映画エンタメ諸々(ベケット、坂口安吾、松下幸之助)、さらにバナナの皮に関する法律など、ざっと250以上の作品が言及される。そうして、渦を巻くように「人類がいかにバナナの皮と接触してきたか」その真実に迫っていく。ホントによく調べていただきました。読みながらこぼれた微笑みは、やがて静かな感動へと変貌していった。2014/12/01
merry
14
バナナの皮はすべる→笑いという図式が、いつから成立していたのかを、真面目に映画や文献、漫画などを通じて色んな側面から検証していく。著者による、バナナの皮すべり実証実験つき。こんなにバナナの皮すべりに触れた作品があるのか!と驚いた。こんな切り口での検証なかなか面白い。2013/12/11
魚京童!
11
スリップ、つまづき及びよろめきによる同一平面状での転倒2019/05/02
Te Quitor
11
真面目に「バナナの皮ですべるというギャグ」を調査し、深く掘り下げた本。とにかく真面目です。本気で考察しています。読んでいるうちに、「くだらないな」という気持ちから、このバナナへの執着は凄いぞ、という「感嘆」の気持ちへと変化していきました。(たまたまバナナが手元にあったので実践してみましたが、床によって滑りやすさが変わりますね…。)それにしても、マニアックなテーマだ。それを真剣に研究してしまう視点と情熱に、少しだけ、感動してしまいました。2012/04/01
蛇の婿
10
よくもここまで調べ上げたものです。いくらネットなどの普及によって調べ物が楽になったとはいえ、ここまでの資料を集めるのは並大抵の努力ではなかったはずです。素晴らしい。…個人的には、本読みとして、映画好きとして、この本に含まれる、バナナの皮ですべるシーンのある膨大な作品群に心惹かれました。…あのアガサ・クリスティさえバナナの皮ギャグを書いているとは…ww2011/09/11