出版社内容情報
リィが天上世界に帰還して十年。再び訪れたデルフィニアの危機に、時空を超え〝伝説の王妃〟は故国に降り立つ。だが懐かしいデルフィニアの地に滞在したのはわずか五日。その短くも濃密な日々、リィや王妃を迎えた人々はどう過ごしたのだろう――。
「紅蓮の夢」では描ききれなかったエピソードを、「小説BOC」に連載された全十話に書きおろしの二話をさらに加えた連作短篇集。
内容説明
リィは再び訪れるはずのないデルフィニアの地に降り立った―『紅蓮の夢』で語られたのは王国の圧倒的危機を覆した戦女神の活躍。勝利の後、リィはコーラルに五日間だけ滞在した。戦場から帰還した大切な人を出迎える“残された人々”を中心に、その短くも濃密な日々が綴られた連作短篇集。
著者等紹介
茅田砂胡[カヤタスナコ]
デルフィニア戦記シリーズで小説デビューをはたす。「スカーレット・ウィザード」「桐原家の人々」「王女グリンダ」など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
史
5
新書版を読んだ時にはまだ紅蓮の夢を読む前だったのでなんとなくでしか楽しめなかったので、こうして文庫で読み返す。いやあ、なんというか、やっぱり究極のエピローグという感じで好きですねえ。デルフィニア戦記という物語は完結を迎えても、この世界は人々は人生を終わるまでは終わらないという感じで、その未来を守る見守るかつての戦士も子どもたちの交流は実に良い。面白い作品は何度も楽しめるとはこのことである。2022/02/03
千木良
4
まったく、俺のような贅沢な悩みを抱える国王など、古今東西を探しても二人といないぞ。王妃が愛妾を可愛がりすぎてるのが困るなど…… ―― 外伝3はファンブックのようなエピローグ集的連作短篇集。物語は大団円です。とはいえ同時に外伝4も刊行されていますが。それにしても何かを読み飛ばした感がしながらの読書でしたが、本編読了から時間が経ち過ぎたからだと納得させていたのに、なんてことなく全仕事所収の「紅蓮の夢」が未読だったためというオチ。「紅蓮の夢」が文庫化されるのを待つのみですかね。2022/11/18
たこのまくら
4
これの前日譚にあたる話をどうにかして文庫の形にしてくれたら嬉しいけどなあ。それはさておき、懐かしい面々もそうだけど彼らの子供世代とリィとのドキドキ初邂逅、て感じ。微笑ましい反面、戦が身近にあった親世代と、ここ10年間の平和を享受してきた子世代の考え方、感じ方の違いが浮き彫りにされてるかな。とはいえ戦なんて無い方がいい訳で。隣国との良好な関係が少しでも長く続くことを願います。2022/02/14
ウーちゃん
3
★★★★ 子供の名前に四苦八苦!この物語の登場人物は何人だろうか?いえいえそんなことを考えずに、読み進めているだけで面白い!楽しい!2022/04/13
いいちゃん07
2
デルフィニアシリーズを読み続けたファンの為のご褒美?です!もう涙が止まりません。これまで読んできたキャラクタ達への感情移入が溢れてきます。こうなる展開も分かっていました。けれども茅田砂湖さんにかかれば想像の5倍ステキにたります茅田さま、天才です。