内容説明
“人間”とは何か?“物語”とは何か?『人間失格』における物語の構造、そして「人間」という概念の意味を、六〇年をへて新たにときほぐす書き下し評論。
目次
序章 『人間失格』をめぐる太宰治の現在
第1章 “現代に甦った新作”、太宰治『人間失格』
第2章 『人間失格』成立まで―古田晁・入院体験・「人間」
第3章 太宰治の退場(情死)と『人間失格』の登場
第4章 言語表現としての『人間失格』―構造・予言・主題
第5章 『人間失格』が生きた戦後―抵抗概念としての“人間”
著者等紹介
松本和也[マツモトカツヤ]
1974年、茨城県に生まれる。立教大学文学部を卒業後、同大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、信州大学人文学部専任講師。専攻日本近代文学・演劇(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
55
第三章以降を読んだことで、自分の中の「人間失格」に対する解釈が少なからず変わった。こういう「読み」が太宰の本意だったかは永遠にわからないが。2017/06/24
mugwort.mei
1
『人間失格』における"太宰神話"成立の背景を踏まえ、本文をテクスト論的に、あるいは歴史的文脈の中で読み直していた。 第一章「"現代に甦った新作"太宰治『人間失格』」は個人的にとても面白く、カバーイラストから翻り、文学作品の受容のされ方や現代文化のあり様について論じられていた点が興味深く感じられた。2024/04/08
も
1
自立した物語として読む可能性を開くこと。2012/07/22
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