内容説明
なぜファシズムが勝利するのか?サラリーマン文化、通俗読物、表現主義、シュルレアリスム、オカルト、ヴァーグナー、ニーチェ、そして映画…。“黄金の1920年代”に民衆を陶酔させたサブカルチャーをモンタージュし、ナチス政権前夜の危機の瞬間=空洞をとらえた“思想的実験”。訳文を全面的に再検討し、大幅に註を増補した決定版。
目次
塵埃(半分;使い古された ほか)
サラリーマンと気散じ(一九二四‐一九二九年)(無気力な男;襟 ほか)
非同時代性と陶酔(一九二九‐一九三三年)(暗い連中は;後方への飛躍 ほか)
大ブルジョワ階級、即物性とモンタージュ(一九二四‐一九三三年)(衝撃;新しい隅窓 ほか)
補遺 一九六二年の増補版より(革命的仮象の財産目録;新聞の新しい奴隷道徳 ほか)
著者等紹介
ブロッホ,エルンスト[ブロッホ,エルンスト][Bloch,Ernst]
1885‐1977年。ドイツのユダヤ系家庭に生まれる。ジンメルやウェーバーのサークルを介して生涯の友ルカーチを知り、ベンヤミン、ブレヒトらと交流を深める。ナチス・ドイツの迫害を避けてプラハに亡命、表現主義論争に参加。アメリカでドイツの敗戦を知る。戦後は東ドイツへ帰国するが、1961年に西ドイツへ移る。マルクスに依拠したユートピア論と「希望の哲学」と呼ばれる独自の世界を構築した
池田浩士[イケダヒロシ]
1940年、滋賀県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、現在、京都精華大学教授。専攻、ドイツ文学、現代文明論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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