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内容説明
哲学(者)とラヴレター。ソクラテス、フロイト、精神分析運動を数多の笑い、ユーモア、涙、絶望と歓喜、そして「歌」のうちにたどる、要約不可能な書簡体の哲学。明解な日本語による待望の翻訳。
著者等紹介
デリダ,ジャック[デリダ,ジャック][Derrida,Jacques]
1930年、アルジェリアに生まれ、2004年、パリに没した。高等師範学校、社会科学高等研究院などで教鞭をとる。現代フランスを代表する哲学者のひとり
若森栄樹[ワカモリヨシキ]
1946年、東京に生まれる。東京大学大学院修士課程修了。獨協大学教授。専攻、現代フランス文学・思想
大西雅一郎[オオニシマサイチロウ]
1955年、大阪に生まれる。東京大学大学院博士課程中退。成蹊大学教授。専攻、フランス現代思想・文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あなた
7
ラカンが「手紙は届く」といっているのはおそらく「大文字の他者」が絶対的に「郵送」してくれるからのことだと思う。でも、デリダはいう。「手紙は届かない」。私にとってデリダはこの一言に凝縮されている。だが、おかしな話だ。デリダのその言葉はわたしに「配達」されている。届いているではないか。いや、おそらくそれもまた「誤配」なのだ。手紙を書くという行為は「現在形」でありつつも、つねに・すでに「亡霊」を召喚し、巻き添えにする。(コメントに続く2010/07/25
nzmnzm
5
東浩紀のデビュー作『存在論的、郵便的』の恐らく直接の参照先、現在の彼の活動のすべてにこの本の影響を見ていいと思う(嫌がられるだろうけど)。愛とか家族とかいう以前に、書くこと、書き残すこと、話すこと、その影響、他人との距離をとること(近づくこと)、どうしてもそれらが否定し尽くせないこと、そこにある経済を、デリダとその妻とのあいだの往復書簡を模した形式で記述している。翻訳も平易さを心がけたというだけあってとても読みやすい。4000円のもとは十分にとれました!ありがとう水声社!2010/10/22
N.H
3
とにかく謎めいた本で、極めて詩的といえる。高橋哲哉や東浩紀の著作にも引用されている、ソクラテスとプラトンの有名な挿絵が載っている。著者自身が本書をアンヴォワ=郵便物と呼んでいるように、本書は郵便、それも宛先へと届かないそれだ。彼が郵便物の配達失敗の可能性を言うとき、すでにメタレヴェルにおいて本書が郵便空間のデッドストックに晒されている。2014/01/22
歩き
1
不在と死のイメージが強いが、ここでの君は執拗に生きている。不在が郵便、電話、遠隔技術による効果、すれ違い。デッドレターと宛先、分割、亡霊。 生殖、性、timbre響き=切手。 決定、決断は延期に延期を重ねられる、あるいは他者にゆだねられている。 後期に向かって。 勢いでとりあえず読了。2013/06/27
fumya
0
ぼくがジャック・デリダで一冊選ぶとしたらこれ。冗談なのか本気なのか判断が難しい、東浩紀さん風に言うのであれば、「かもしれない」のオンパレード。いや、デリダは本気だろう。
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