内容説明
現代ロシアの、肥沃なる知のカオスの体現者、ヤンポリスキー。記号論から出発し、ソヴィエト文化批判、身体論を経て、「政治的なるもの」へ…常にアクチュアルな考察を提示し続ける著者の来日講演3篇とインタビューを収録し、その思想的エッセンスに迫る。
目次
隠喩・神話・事実性
文献学化―ラディカルな文献学のプロジェクト
イワン雷帝―個と類型の彼岸
身体の制度・表象・実践―ミハイル・ヤンポリスキーに聞く
ヤンポリスキー来日のあとで「共同討議」
著者等紹介
ヤンポリスキー,ミハイル[ヤンポリスキー,ミハイル][Iampolski,Mikhail]
1949年、モスクワ生まれ。モスクワ教育大学卒業。現在、ニューヨーク大学教授。専攻、映画理論、身体論
平松潤奈[ヒラマツジュンナ]
1975年、山口県生まれ。東京外国語大学外国語学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。現在、日本学術振興会特別研究員。専攻、ロシア文学
乗松亨平[ノリマツキョウヘイ]
1975年、大阪府生まれ。東京大学文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。現在、日本学術振興会特別研究員。専攻、ロシア文学
畠山宗明[ハタケヤマムネアキ]
1974年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。専攻、映画学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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monado
1
講演録ということでもっと簡単なものを期待したのだが、思っていたよりは難解であった。ただヤンポリスキーの指向や語り口のようなものはかなり読み取れたという印象で、論理の立て方が面白い。 インタビューと共同討議はヤンポリスキーの立ち位置を確認しながら、昨今の人文科学のマップを見通すという感じで、くねくねしたやりとりはありつつも、雰囲気は掴み取れた。2019/03/11
工藤 杳
0
ポストモダンはフランス発コスモポリタンな思想の潮流だったわけだが、なぜか「これじゃない」感が否定できない。やはり私はロシア人のものを読むときはロシアに関わる何かを期待している(それは当然批判されてしかるべきですが)。ヤンポリスキーがドゥルーズに対しどういう態度なのかというのは正直知ったこっちゃなくて、興味を持つのは、ドゥルーズがロシア社会・文化にどう受容されどう影響していたかということなのだ。皮肉なことに外国人であるバック=モースの『夢の世界と』の方が時代のリアルな空気があり面白く読めた。2016/06/08
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