内容説明
『狂気の歴史』の自己批判的再構成というべきフーコーの1973・74年度の講義『精神医学の権力』と『異常者たち』を、明快かつ平明に読み解く。
目次
第1部 “狂気”を何と呼ぶか(近代の“狂気”意識;“おまえは王ではない”―ジョージ三世とデュプレ氏;規律的空間;“知っている者”としての医師―精神医学の“知”と狂気の“真実”;“身体が応えてくれる”―神経病理学とヒステリー患者;新たな狂気意識を求めて―反精神医学;精神医学の権力)
第2部 何を“狂気”と呼ぶか(“危険”の専門家;アンリエット・コルニエ事件―“本能”の発見;意志と無意志的な行為―神経精神医学の成立;二つの法律―司法・行政への精神医学の知‐権力の組み込み;兵士ベルトラン事件―性と快楽;シャルル・ジュイ事件―“幼児性”というフィルター;遺伝―“変質者”の誕生)
付論 フーコーと精神分析(フーコーのfort/da―序に代えて;ランガージュと狂気;権力と性;言説空間としての精神分析)
著者等紹介
佐々木滋子[ササキシゲコ]
1948年、東京都に生まれる。横浜市立大学文理学部卒業後、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。一橋大学教授。専攻、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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